AGRI 三鷹台おでん屋心霊相談所

文芸

幽霊はいるけど、いないかもしれない?コンビの心霊相談所

【今回ややネタバレあります。ご注意ください!!!】

主人公のふたりは中学校の同級生。
「霊が見える」心霊現象絶対否定派理の天哉
「霊がいるとくしゃみが出る」(ただし本人は無自覚)オカルトマニアの陽太
そんな二人がはじめた仕事は「心霊相談所」


ここまではよくある話。
この本のおもしろいのは
「その現象が「心理現象ではないことを証明する」こと」
たとえば
「悪霊にとりつかれた」と相談があれば
その話をじっくり聞き、
その現場に行き、
寝不足である生活習慣病では?と
さりげなくその生活改善を促して解決させるという
いっけんじみーな
謎の解決法?
(本文では科学的に解き明かしてるということになってます)
そもそもこれ解決してるの?と思ったり…

サブタイトルの「おでん屋」は
「一話 家守」にでてくる依頼者の経営しているおでん屋です。
続話、というか全話このおでん屋さんが中心に話がまわっていきます。
どの依頼者ともこのおでん屋で待ち合わせています。
そして依頼者だけでなく
物語のキーパーソンたちもここに集まってきます。

二人は依頼者の相談を解決していきますが
その時々に会った人やその時の事柄により
とあることに気づいていくことがあります。
そしてそれはエンディングにむかって
ゆるやかにつながっていきます。

心霊とタイトルにありますが
全く怖くはありません。
文章のテンポも軽やかでとても読みやすいものです。
それだけに核心に向かってる時の歯切れの悪さが目立っていて
もったいない!!!
登場人物のバックグラウンドのわかりにくい部分が際立って
それに付随した行動がスムーズにつながりにくいので
途中何度か読み返しました。
全四話なのですが
この四話を通して一つの物語として成り立っているので
最期のスムーズさが失われているのだけ
とにかくもったいない!!!!
のです。
個人的に思ったのは、ここまでスムーズでないのは
著者が迷って納得いかないまま納品だったのではないでしょうか?
話の核となる部分で、なぜその話が急にでてくるのか
天哉と陽太の過去の出来事が原因ではないと
天哉が切り出した言葉がなぜでてきたのか?等
風呂敷を畳む過程での疑問を
もう少し丁寧に説明してほしかったです。
じゃないと
天哉と陽太、おでん屋の若女将以外のキャラクターが
活かしきれてないのです。
(依頼人はのぞく)
そのキャラクターたちも活かしての
風呂敷たたみを見たかったです。


全体的に軽い読み口なので、続編があったらすごくうれしいです。
ところで
タイトルの「アグリ」がとっぱらわれた作品があるのですが
これは出版社が変わっただけで
たぶん同じ作品なのだと思います。
全編におでんが登場しますので、おなかすいた状態で読むのはお薦めしません!
おでん食べたいなあ…


(タイトルの「AGRI」とは
「Anti Ghost Research Institute」
否心霊調査研究所の頭文字をとったものです)

【もくじ】
プロローグ
第一話 家守
第二話 泣声
第三話 おくりもの
第四話 呪
エピローグ

AGRI 三鷹台おでん屋心霊相談所

著者:木間のどか
出版社: 文響社 
発売日:2018/11/16

【本日のサムネイル】
おでんのイラスト
こんにゃくと大根とちくわがセットになった、おでんのイラストです。

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