脱力系だけどほっとする
著者がお笑いの方と同一人物と最近知ったので
これもなにかのご縁ではないでしょうかね、と手に取りました。
一般的にはコミックエッセイのジャンルでしょうか。
あらあらまあまあ
最初大家さんのペースに戸惑っていた著者が、
それでも一緒に時間を過ごしているうちにたいせつな人になるという内容。
四コマ漫画状態で描かれています。
著者と大家さんの間合いが完全に「おばあちゃんと孫」なんですね。
おばあちゃんと一緒に住んでる孫。
もっとも大家さんに聞こえたら憤慨してしまうと思いますが。
子供から中学高校になって、自分の世界が外にむいてる時期
心配したりお話ししたくて話しかけてきた祖母に
「忙しいからあとでー」と言ってしまったささいな罪悪感みたいな
そんなシーンもあり。
考えてみたら大家さんと借りてる人なのだから
面倒だったら引っ越しすればいいし、
大家さんの電話も出なければいいだけ。
なのに電話に出たり一緒にお茶をしたり、著者のひとのよさが全開です。
後輩の芸人が草むしりにきてくれたエピソードでは
大家さんに気遣うあまり後輩の方が可愛がられてしまい
「僕の大家さんなのに」
孫そのものになってます。
お金持ちのお嬢さんだったころのままのような大家さんを
ばかにするわけでもなく、受け入れている姿勢はとても素敵です。
ゆるゆるといつまでも続いてほしいとおもう本でした。
タイトル:大家さんと僕
著者:矢部太郎
出版社:新潮社
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