今回紹介するのは、性教育の本です。
コミックエッセイ形式で進められていくのでわかりやすいです。
イラストレーターのフクチさん(小4と小1の娘)
編集者のインデンさん(幼稚園の年中の息子)
編集者のオノさん(小2の娘と幼稚園の年少の息子)
営業のウチダさん(男性。小3の娘と小1の息子)
それぞれ子どもを持つ大人が
「子どもが不審者被害にあったらどうしよう」
「息子の思春期の身体の変化ってどう教えたらいいんだろう」
「学校から性教育してっていわれたけど…」
「性教育って学校でおしえるもんじゃないの?」
各々が悶々としていて、
「誰に聞けばいいの!!!!」
ということで専門家に聞いてみました、というのが流れです。
一章 おうち性教育=子どもの幸せを守るための教育です
この章をざっくりまとめると
・日本の性教育は遅れている
・ 「性教育=セックス、ポルノ」というイメージが強いがそうではない
・ アダルトビデオやアダルトサイトは男性の興奮を目的とした「ファンタジー」
本書にも書いてありましたが
私たち大人も学校や親からはっきりと性教育をうけたことがある人は少ないと思います。
子どもと一緒に少しずつ学んでいくのもよいのではないでしょうか。
二章 おうちでまず伝えたい3つのこと
この章をざっくりまとめると
・プライベートパーツ
「口、胸、性器、おしり」は自分だけの大事な部分
・ 「NO、GO、TELL」
NO 嫌なことをされた怖いことをされそうになったらハッキリと拒否
GO できるだけ人の多いほうへ逃げる
TELL 秘密だといわれても信頼している大人にはなすこと
・ 子どもが親から「愛されてる」と感じられること。
タッチング なで、抱きしめ、手をつなぐ
リスニング 言葉を遮らずに耳を傾ける
近年の性教育本に必ずある基本中の基本「プライベート」ですが
本文ではお母さんたちが
「おしりくらいは触りたい。かわいいから」
「低学年までセーフとかないですか?」
…ないですからねー!!
「親子間のおふざけならよくないですか」
ともありましたが、これって家族間でOKならお友達にもOKだろうなーと
なってしまいそうでちょっと怖いなあと感じました。
三章 親も一緒に!からだとこころを学ぼう(男の子編)
この章をざっくりまとめると
・ 子どもにつたえるとき気をつけたいこと
・男性器について
・射精についてどう教えたらいいか
・精通があったらどう対応するか
・子どもといつまで入浴していいか
男の子の身体のこと、女の子の身体のこと
お互いが知らないと、お互いを思いやることが出来ないので
お互いをよく知ろう!
という姿勢で書かれている章です。
子どもといえど、親がついからかったりしたら
それがきっかけに「自分は汚い」など
間違った思い込みに繋がるので
淡々と対応する、など具体的に書いてあるのがよいです。
誰しも大なり小なり家族や大人に性的なことでからかわれた経験があると思います。
でも本当は大人に一歩近づいたことなんですよね。
三章 親も一緒に!からだとこころを学ぼう(女の子編)
この章をざっくりまとめると
・女性器について
・妊娠と月経について
・月経が来たら
・ママの生理を伝えるか伝えないか
・受精と性交の話
・「出産」を話そう
「生理についてママと娘が話してるけど、こういう時パパはどうしたらいい?」
などお年頃の娘をもつお父さんはどうしたらいいのかまで
細やかに配慮された章です。
生理用品の種類や用途、交換のタイミングやお風呂やプール、
その他生理にまつわる不調のこともあり
女の子のお母さんには大助かりな内容になっています。
四章 こんな時どうする!性の話Q&A
この章をざっくりまとめると
・うんち、おしっこ、ちんちんなど連呼するので困る
・性器さわりをしてるのをみてしまった
・家族団らん中TVでベッドシーンをみたら
・子どもがアダルトサイトをみていた
・パートナーが性教育に無理解、非協力的
・避妊についていつどう伝えたらいいか
・子どもはいつからセックスしていいの
幼少期あるあるから、思春期ならではまで
「あるある」な事柄をどう対応していくか。
茶化さないで、淡々と事実を伝えるのはいままでの章と同じ対応です。
パートナーが無理解、非協力的は
冒頭で男性営業のウチダさんがいっていた
「寝た子を起こすな」「自然とわかるでしょ」という考えが多いのかもしれません。
五章 大人が知っておきたい これからの性の話
この章をざっくりまとめると
・三つの性行為(性行為の役割について)
・男女ともに大切なセルフプレジャー
・セックスだけじゃない「性的ふれあい」
・多様で豊かな性のありかた
LGBTやセルフプレジャーなど
近年になり大切とあらためて認識されている事柄についてまとめられています。
実はここが一番たいせつではないでしょうか
よんでみて
「学校で教えてくれるでしょ」じゃなく
子どもが大切だからこそ教えるのが性教育なのだなと思いました。
コミックエッセイという形式に
ちょっとコラムがついていて読みやすく
さらに「どうしよう」の時は
もっと本格的なものをと、とりかかりにちょうどいいと思いましたが
これを子どもになる投げして
「読ませたからOK」というものではありません。
あくまで大人向けのものです。
個人的には巻末にしたがって
4、5章がとりあえずのようにかかれていたような感じだったので
ここが肝では?と感じたので
もっと充実させてほしかったです。
「はずかしい」じゃなく茶化さず、淡々とがポイントですよ。
おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 (コミックエッセイ)
著者:フクチマミ
出版社:KADOKAWA
発売日: 2020/3/3
【本日のサムネイル】
トイレのマーク(男女)
トイレに描いてあるような、男女の人間の知るイエットが描かれたイラストです。
コメント