【無人島で12年暮らした実話】漂流

文芸

【初回公開:2010/07/14 (Wed) 13:10】

文庫: 516ページ
出版社: 新潮社; 改版版 (1980/11)
ISBN-10: 410111708X
ISBN-13: 978-4101117089
発売日: 1980/11
商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、
不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。
水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、
仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、
土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、
12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。
その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、

長編ドキュメンタリー小説。
(Amazonより)

ここ3.4年でドキュメンタリー系が好きになった。
初めは事件系から入って、事故系、医療系と進み
今はたいていドキュメンタリー系を漁ってる状態である。

伊集院光がラジオにて「羆嵐」(くまあらし)を読んだと言っていた。
昨年の冬と思う。
それを受けてそれを読み、漂流を手にした。
漂流物と言えば、一昨年夏読んだ「無人島に生きる十六人」 (新潮文庫須川 邦彦 (著)) 。
これがかなりの傑作で、意外とちょろいもんだなと思っていた。
状況が状況であれば、の話とは気付かなかった。

主人公である長平は、そこで13年間生きた。
無人島で、13年間。
そのうちの数年間はたったひとりで。
水なし食料ナシ。
気が狂わなかったのも奇蹟的と思う。
これは実際にあった話です。
私は無理だと思いました。
ちょろくないです。猛省。

タイトル:漂流
著者:吉村 昭
出版社:新潮社

【2020/10/09追記】

「無人島に生きる十六人」が本当に楽しそうで読んでいて自分もそこに参加したいと思うほどで

だったら同じテーマのこれもそこまでハードではないだろうと軽い気持ちで手に取ったのですが

10年経過した今でも思い出せるめちゃくちゃベリーハードな漂流でした。

なによりも取材力がものすごい。

どうしたらそこにいたかのように書けるのか。

ただただ圧巻。

もちろん「熊嵐」だってすごいのですが、これもそれを上回るすごさなので未読の方は是非。

読んで後悔はさせません!

嵐で流されて気づいたら無人島にいて、そこでサバイバルをする。

四方は海で船が通るかもわからない。

そこで助けを待つ。いつ来るかわからない。

食料は水はどうするか。そこにたまたまいた鳥を捕まえていたが、季節が廻ると鳥はいなくなる。

そして冬。病人が出てもどうすることもできない。

極限状態で人はどう生きるか。

それを突き付けられる。

「無人島にひとつ持っていくとしたら?」

サバイバル能力よりも、なにが起きてもあきらめない精神力と痛感する本です。

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