どんな内容なの
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誰もいなくなった部屋にこそ、住んでいた者の嘘のない生きざまが現れる──。
HonyaClub より
特殊清掃業者〈エンドクリーナー〉には、
日々、様々な依頼が押し寄せる。
彼らの仕事をとおして、死者が抱えていた様々な事情が浮かび上がる。
『護られなかった者たちへ』の著者が贈るヒューマン・ミステリー。
1「祈りと呪い」
急な会社の倒産により急遽清掃業のその会社に入社した秋廣香澄。
依頼により上司と向かった先は賃貸アパート。
そこの一部屋で女性が亡くなったのだという。
彼女が入社した会社は事故物件専門の清掃業だったのだ。
2「腐蝕と還元」
風呂場で亡くなった現場にて秋廣と五百旗頭は清掃作業を行う。
主に風呂がメインで他の部屋は綺麗だが、
キッチンと洗面所をみた秋廣が妙なことを言いだす。
3「絶望と希望」
大学時代同じバンドメンバーだった友人の部屋を担当することになった白井。
才能あるベーシストだった友人の部屋にあったパソコン。
バンドを解散してからの行動を知りたいと白井はそのパソコンをひらくと
あることに気づく。
4「正の遺産と負の遺産」
相場師だった男性が亡くなり、その部屋の片づけの最中
ベッドの真下から金庫が発見される。
そこから遺言がみつかったことで彼の娘らは大騒ぎとなるが…
読んでみて
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部屋の中で人知れず亡くなって、長期間経たのちに発見。
孤独死とよばれるこの現象の後片付けをするのが「特殊清掃」です。
その仕事とはどういったことなのかを知りたくて本書を手に取りましたが
ノンフィクションではなく文芸だったのです。
しかもミステリー!
四編の話はすべてこの「特殊清掃」にまつわるものです。
「祈りと呪い」は秋廣が
「腐蝕と還元」は五百旗頭が
「絶望と希望」は白石が
「正の遺産と負の遺産」はふたたび五百旗頭がメインとなります。
最初の話は新入社員の秋廣の目からはじまり、
徐々にどのような会社か、どのような仕事なのかがわかるようになっていきます。
最後の話以外は、孤独死された方は比較的若い年齢です。
ある日突然苦しくなって倒れてしまう。
助けてほしくてもがいて這いずり、そこで亡くなってしまう。
発見されても時間経過による腐敗にどの遺族もためらってしまう。
他人事ではなく誰しも起こりうることだと思いました。
最後の話は高齢者の一人暮らし、家政婦さんがおやすみをとっている間の発作による死なので
運が悪かったとしか言えません。
彼らは遺族などの依頼により部屋を片付けていきます。
その中で些細な違和感をそのままにせず、それを突き止める。
本来の清掃からは外れているかもしれませんが
どうしても見過ごせない。
そこから故人の想いが見えることも。
著者はミステリー作家の中山七里さんです。
特殊清掃のなかのミステリーいかがでしょうか。
【本日のサムネイル】
清掃業者のイラスト
業務用の掃除機やモップなどの清掃用具を持った業者さんのイラストです。
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