これはタイトル通り
「へんな商標」を集めた本です。
そもそも「商標」ってなあに?
商標とは、
事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを
他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。私たちは、商品を購入したりサービスを利用したりするとき、
企業のマークや商品・サービスのネーミングである「商標」を
一つの目印として選んでいます。
そして、事業者が営業努力によって商品やサービスに対する消費者の信用を積み重ねることにより、
商標に「信頼がおける」「安心して買える」といったブランドイメージがついていきます。
商標は、「もの言わぬセールスマン」と表現されることもあり、
商品やサービスの顔として重要な役割を担っています。このような、商品やサービスに付ける「マーク」や「ネーミング」を
財産として守るのが「商標権」という知的財産権です。商標には、文字、図形、記号、立体的形状や
特許庁 商標制度の概要 より
これらを組み合わせたものなどのタイプがあります。
また、平成27年4月から、動き商標、ホログラム商標、
色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標についても、
商標登録ができるようになりました。
つまり商品ロゴや、会社のマークなどが商標にあたります。
アリナミンなどの商品ロゴ
不二家のペコちゃん人形
クロネコヤマトの企業マーク
ヤマキの屋号
など、様々な商標があるのですね。
本書の冒頭まえがきにも
登録商標についての詳細がかかれていますよ。
どんな内容なの?
第1章 あの人の意外な商標
14の商標が紹介されています。
この章で紹介されているもののほとんどは
有名人の名前だったり、ダジャレです。
例)カレーパンマン
この商標の権利者は誰でしょう
第2章 その商標を取る意味は?
14の商標が紹介されています。
章のタイトルどおりの
「これ取ってどうしようとしたんだろう…?」
おもわず首をひねりたくなるものばかりです
例)何天堂
こちら権利者は任天堂さんなのです。
ゲームの中で出てくる会社名なのです。
こんな詳細なところまで商標登録するのですね。
第3章 それどんな商品だよ!
21の商標が紹介されています。
一体何の商品なのか、漠然とならわかるもの
まったくわからないものなど21種です。
例)梁ポッター
これは
「建築用または建築用の金属専用材料としての鉄筋とセパレーターとの連結金具」
だそうです。
わかるか!!!
第4章 勘違いされちゃうだろう!
18の商標が紹介されています。
三章以上に一体何の商標なのかわからないものだらけになっています。
例)エアーストリップ
こちら
「空気を通す絆創膏」
らしいのですが、
ストリップ、となると元気なお子さんに使うイメージよりも
大人むきかしら?
と邪推してしまう人もいるかもしれませんね。
第5章 その商標に逸話アリ
11の商標が紹介されています。
こちらの章は登録はしましたが、ほかの会社などに商標権侵で訴えられたものばかりです。
例)iPhone
こちら有名なアップル社のスマートフォン、かと思いきや
インターホン機器を製造販売する「アイホン社」
古くから「アイホン」もしくは「AIPHONE」の商標権を保有していました。
それを知らなかったアップルは「iPhone」を商標登録しようとしましたが…
読んでみて
そもそも
自分の会社を判ってほしい
商品を身近に感じてほしい
ということで作られたであろう商標が
ダジャレだったり
商品の名前の類似名が登録される前に登録されていたり
登録はしたけれど使われていないようだったりと
大人の事情(会社の事情含む)でお蔵入りになっているものらが
このように一部ではありますが、まとめられてる本があることに驚きました。
そもそも商標は難しい…よくわかんない…
それがこのように面白いものも多く登録されていることも初めて知りました。
その商標の存続期間があること、
その商標に対し、登録無効や異議申し立てができることなど
笑いながらも今まで知らないことだらけでした。
サクッと、でも調べれば調べるほど難しくも楽しい世界でした。
著者:友利昴
出版社:発明協会
発売日:2010/11/19
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