【母という呪いとの対峙】娘が母を殺すには?

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ノンフィクション

どんな内容なの?

「母」の呪いに、小説・漫画・ドラマ・映画等のフィクションはどう向き合ってきたのか?「母」との関係に悩むすべての「娘」たちに贈る、渾身の文芸評論!

「毒母」「呪い」「母がしんどい」「母が重い」――
いまや社会現象となっている「母と娘の葛藤」は、
フィクション作品の中でも繰り返し描かれ、その解法が探られてきた。

本書では、注目の若手批評家・三宅香帆の視点をもとに、
「母と娘の物語」を描いた作品を分析し、「母娘問題」のひとつの「解」――
「母殺し」の具体的方法を提示する。

「あまりに物騒なタイトルに、いささか驚いた人もいるかもしれないが、
もちろん「母殺し」とは、物理的な殺人を意味するものではない。
そうではなく、本書で主張したいのは、
古来多くのフィクションが、息子の成熟の物語として「父殺し」を描いてきたように、
娘もまた精神的な位相において「母殺し」をおこなう必要があるのではないか、
ということだ。」――まえがきより

HonyaClub より

第一章 「母殺し」の困難

1 母が私を許さない 
2 母が死ぬ物語―「イグアナの娘」『砂時計』「肥満体恐怖症」 
3 「母殺し」はなぜ難しいのか?

第二章 「母殺し」の実践

1 対幻想による代替―1970~1980年代の「母殺し」の実践 
2 虚構による代替―1990年代の「母殺し」の実践 
3 母を嫌悪する―2000年代以降の「母殺し」の実践

第三章 「母殺し」の再生産

1 自ら「母」になる―もうひとつの「母殺し」の実践 
2 夫の問題 
3 父の問題 

第四章 「母殺し」の脱構築

1 母と娘の脱構
2 二項対立からの脱却
3 「母殺し」の物語

あとがき

読んでみて

親から与えられた規範を手放すことで、親を超越するのが「父殺し」。
母の規範を手放すことを「母殺し」と定義しているのが本書です。
では「規範」とは何か?
「規範」とは「判断・評価・行為などの、拠(よ)るべき規則・規準」
つまり
母親が決めた判断の基準から抜け出すこと、が「母殺し」となります。

本書には実に多様な本や映画やドラマ、実際の事件を例にかかれています。
ひとつふたつは見た、読んだことがあるかと思います。
それらに対して「母殺し」という見方で見たことがなかったので
「そんな見方があるのか」
とびっくりしました。
母から離れたい逃げたいと行動を起こしたあとで、そのキャラクターたちはどうなったか。
ふたたび母の規範に取り込まれたり、
母以外に母を求めたりとこれもまた様々です。

近代の家族史も交えながら
どうすれば女性が生きやすくなるか
母から脱却するにはどうしたらいいのかを
物語を通すことでわかりやすくかかれています。

母親との関係に悩む人が多い昨今
この本は希望になるものだと思います。


娘が母を殺すには?

著者:三宅香帆
出版社:PLANET
発売2024年5月15日


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【本日のサムネイル】
親子の確執のイラスト(母と娘)
喧嘩(ケンカ)をした仲の悪い娘とお母さんが、お互い怒ってそっぽを向いているイラストです。

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