【ずっといっしょがいいね】団地のふたり

(本ページにはプロモーションが含まれています)

 

文芸

どんな内容なの?

イラストレーターながら今はネットで不用品を売って生計を立てるなっちゃんこと奈津子。
大学の非常勤講師を掛け持ちしながら生活するノエチこと野枝。
そんな幼なじみの二人は50歳を迎え、共に独身。
生家の築古団地で暮らす。
奈津子の部屋で手料理を一緒に食べ、時にはささいなことでケンカもする。
高齢のご近所さんのために、二人で一肌脱ぐことだってある。
平凡な日々の中にあるちいさな幸せや、
心地よい距離感の友情をほっこりと優しく描いた物語。

HonyaClub より

第一話 山分けにする

奈津子は月に一度段ボール箱に届く特選新鮮野菜を
ノエチに手渡す。
そしてノエチはアニキの宝箱からなにか持ってくる。

第二話 お兄ちゃんって最後に呼んだのはいつ?

馴染みの喫茶店へモーニングをふたりで食べに行く。
ふわっとあっさり軽い味わいのホットケーキ。

第三話 捨てられないふたり

福田さんが突然奈津子の家にやってきて頼みごとをする。
佐久間のおばちゃんから噂をきいたみたい。
できることが増えたことはいいことだ。

第四話 空ちゃんはいつだっていいよって言ってくれた

ノエチと喧嘩した。
3,4日経ってなにごともなかったみたいにノエチは花束片手にやってきて
ふたりでいつもの場所に向かう。

第五話 出られない、いや、出たくない 

浅野君が住むマンションをリフォームすることが決定し
二ヶ月ほど別の場所で暮らさなければいけないらしい。
奈津子は自宅に住まないかと提案する。

読んでみて

阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」みたいだなあ!
が読み始めてすぐの感想でした。

古い団地に住む幼馴染の50代独身女性二人の日常がかかれています。
小説だから起承転結的な盛り上がりや
男性とのラブロマンスもありません。
でもそれがいいんです。
ものすごくほっとできる。
ゆるっとできる。
かしこまらずにだらだらしててもおこられない。
そんな雰囲気がこの話にはあります。

ですが奈津子の母親は実家の母親の介護をしていたり
ノエチは学校に行きたくない(大学の非常勤講師!)
築年数がかなり経過してる団地は併設されていた幼稚園が閉鎖されたままで
空き部屋も多く、高齢者世帯も多い
目線を変えるとそこにはどこにでもあるようなささいな悩みや現実が含まれています。
巨大、複数、老朽化、高齢者が多い団地、なんだか聞いたことありますよね。
そんな現実みたいな場所でふたりは暮らしています。
だからこそこのふたりの、なんでもない日常がいとおしく感じてしまうのだと思います。

こういう中年女性がふたり、なんでもない日常を暮らすおはなしは
現実がハードすぎる私たちにじんわり染み入るので
もっと増えてほしいです。
喫茶店でゆっくり読みたい本でした。


団地のふたり

著者:藤野千夜
出版社:U-NEXT
発売日:2022年3月31日


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