【初回公開:2010/06/12 (Sat) 21:35】
新書が爆発的に売れた時期があるらしい。
らしい、というのは私はその時期新書を読んでいなかったのだ。
実は昨年末まで新書を殆ど読んだことがなかった。
むしろ嫌っていた、といってもいい。
新書=ビジネス本、もしくはクソ本
そう思っていたのだ。
今まで文芸書ばかり読んできて、新書を読む機会に巡り合い
徐々に冊数を増やしてきた。
今まで新書を読まなかった自分を恥じるばかりである。
興味あるものばかり買って読んで来たわけだが
これでいいのだろうか?
もっとおもしろいものはないのだろうか?
そう思った時
この本の発売を知った。
小飼 弾氏 「新書がベスト」である。
副題には
「10冊で思考が、100冊で生き方が変わる」とある。
小飼氏は
「生き残りたいなら、新書を読め」という。
普段読書をしていない人や、年間10冊程度の読書量の人は
「なんてことをいう人だろう」と思うだろう。
その理由を知る為にも是非読んでいただきたい。
個人的な事で恐縮ではあるが、夫婦そろって本を読む我が家には本棚がある。
賃貸という事もあって最大1500冊くらいしか置けないのが難点なのだが、
小飼氏は新書用の本棚を購入するところから薦めているのが驚きだ。
実家や友人宅には本棚があったとしても、30冊も入れば最大もしくは本棚さえない家もある。
それなのに、本棚を買う事がスタートなのだという。
しかし、これは理にかなってるといえよう。
一気に300冊購入して読み進めるうちには、どうしてもそれを保管すべき場所が必要なのだ。
ちょっと強引さも否めないが、面白いアプローチと思う。
この本の面白いと感じた最大の部分は、レーベルの特徴を書き記した「PartⅢ新書レーベルめった斬り!」であろう。
新書初心者の自分は一部のレーベルしか知らない上に
その特徴も知らずに購入していたと痛感した。
楽しむ上ではそれでいいのかもしれないが、よりよく読んでいく上では
そのレーベルの特徴を知っていた方が巡り合う本も増えるであろう。
しかし、こんなにも新書レーベルがありまた古くから出版されていたとは!
そして終章「新書と電子ブックの未来」。
最近何かと話題の「iPad」や「電子書籍」。
それらとの付き合い方も書かれています。
新書初心者の私には、この本は大いに刺激され「もっといろいろな新書を読みたい!」と思わせてくれた一冊である。
新書はタイトルやそっけない装丁により、女性にとって「とっつきにくい」というイメージがあるかもしれない。
それはかなり「もったいない!」ことと断言します。
自分の世界を広げるためにも、まず一冊の新書から軽い気持ちで入ることをお勧めいたします。
この本は「新書を知らない人の為の教科書」として読んでいただきたい一冊である。
また、氏の著書に「空気を読むな、本を読め」がある。
これはあまり本を読んでいない、どの本を読んでいいかわからない方に大変お勧めである。
出来れば両方読んでいただけると、読書の楽しさに触れるきっかけになると確信している。
ツイッター内で、無謀にも「書評を書きたい!」とエントリーした私を選んで下さった小飼 弾氏に深く感謝を申し上げたい。
新書がベスト (ベスト新書)
小飼 弾 (著)
目次
序章 生き残りたければ、新書を読め
PartI 新書の買い方、読み方
PartII 新書を10倍生かす方法
PartIII 新書レーベルめった斬り!
終章 新書と電子ブックの未来
ジャンル別 逆引きインデックス
小飼 弾ホームページ 404 Blog Not Found
【2020/10/07追記】
Twitterで著者がふぉろあさん向けにレビューを募集していたので
ダメもとで申し込んだら著書が送られてきたのでブログを始めることにしました。
それがこのブログの前進「まつろぐ」でした。
10年前のことだったのですね。びっくりです。
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