ノンフィクションライター、佐々涼子さんの
エッセイとルポタージュをまとめたものです。
どんな内容なの?
生と死を見つめ続けてきたノンフィクション作家の原点がここに!
私たちは10年という長い年月を、とことん「死」に向き合って生きてきた。
しかし、その果てにつかみとったのは、「死」の実相ではない。
見えたのは、ただ「生きていくこと」の意味だ。
親は死してまで、子に大切なことを教えてくれる。
(第1章「『死』が教えてくれること」より)家族、病、看取り、移民、宗教……。
Amazonより
小さき声に寄り添うことで、大きなものが見えてくる。
『エンジェルフライト』『紙つなげ!』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー』……。
読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクションの原点は、
佐々涼子の人生そのものにあった。
ここ10年に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選!
著者初の作品集。
第1章 エッセイ
「死」が教えてくれること
夜明けのタクシー
体はぜんぶ知っている
今宵は空の旅を
命は形を変えて
この世の通路
幸福への意思
もう待たなくていい
ダイエット
ハノイの女たち
未来は未定
夜明けを待つ
痛みの戒め
柿の色
ひろちゃん
和製フォレスト・ガンプ
誰にもわからない
トンネルの中
スーツケース
梅酒
ばあばの手作り餃子
縁は異なもの
1章はエッセイが22本掲載されています。
今までの著書を読んでいる人にはおなじみの場所や
家族のことなどが書かれています。
第2章 ルポルタージュ
ダブルリミテッド1 サバイバル・ジャパニーズ
ダブルリミテッド2 看取りのことば
ダブルリミテッド3 移動する子どもたち
ダブルリミテッド4 言葉は単なる道具ではない
会えない旅
禅はひとつ先の未来を予言するか
悟らない
オウム以外の人々
遅効性のくすり
2章はルポタージュが9本掲載されています。
諸外国での出来事が書いてあります。
読んでみて
ノンフィクションを中心としたキュレーションサイト「HONZ」にて
著者の著書が紹介されていたのがきっかけで、手に取るようになりました。
かなり時間もかかったであろう取材をもとに、その人物らの気持ちがじっくりと書かれたその文章は憧れでもあり、まぶしく感じています。
今回はそんないつもの作品とは異なるエッセイとルポタージュがまとめられています。
著者のいままでの仕事について、
家族への想い、
今までの取材について。
いつもとはちがう様相に疑問に感じ、
最後にただ静かにそうかと思いました。
現在ある悪性脳腫瘍の闘病中であること、
余命がいくばくかであることが書かれています。
著者の著作には死にまつわるものも多く
今回の作品にもそういったことが書いてあります。
死はだた哀しいものではない。
そこから知ることもあり、だた受け止めればいい。
「ああ楽しかった」といってわかれると
そう書けるまでどんな葛藤があったのだろうか。
できるならまだまだ新しい作品が読みたい気持ちもありますが
このようにエッセイをまとめてくださったことに
ただただ感謝しかありません。
著者:佐々涼子
出版社:集英社インターナショナル
発売日:2023年11月24日
【本日のサムネイル】
夜のイラスト
月や星が空に浮かぶ、夜(夜空)のイラストです。
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