ただ眠ってる、だけではないのです
不眠症なのか、眠れない。
学校に行っても授業は耳に入っては来ず、うつらうつら…
それでも眠れない。
眠れないのが続くとと死ぬんだっけ?
そう思いつつ、保健室のベッドに横になっていたら
知らない女の子、ひつじがベッドにダイブしてきて
気づいたら寝てました。
それはそれは、極上のクセになる眠りで、
みていた夢につられるように
眠り続ける彼女にキスをしました。
そんな冒頭で物語ははじまります。
主人公、沙耶と4人の女の子たちが、
夢の中で睡獣(すいじゅう)と呼ばれる化け物を倒します。
(この睡獣、夢によって姿形が異なっています)
この化け物が原因で眠れなくなってる人々がいるのです。
夢の中で、彼女たちは人知れず平和を守っているのです。
と非常にわかりやすいおはなしです。
おもしろいのが
中盤でこの睡獣が現実にも影響を及ぼしはじめ
それを見ることが主人公のみ、ということ。
夢の中でひつじが睡獣を倒した後
その核となる卵を持っていたことを主人公だけが覚えていること。
結局、睡獣にすべてを誘導されていたのですが
それまでずっと知性があるとは思えなかったのに
実はずっと彼女らを利用していた。
これはちょっと予想外でした。
すやすや眠って、夢の中で強くなって
夢でも現実でもひつじと主人公がつきあって
ハッピーエンド!!かと思っていました。
なので全く主人公になびかないひつじに
(これはがっつり百合ではないのかな?)
そう思っていました。
(そうですこれは百合SFとしても有名なのです)
現実に夢が侵食してきて
それを倒すために主人公とひつじは作戦をたてます。
そして二人は・・・・END。
「結局どうなったんだ!!!続きまだですか!!!2021」です。
乱丁かと思いました。
マジで。
買ったの電子書籍なのに。
本気でこれでOK出したハヤカワー!!なぜ!!!
呆然としました。
思わずWEB検索したら自分だけではありませんでした。
仲間いっぱいでした。(デスヨネ)
本書のラスト3行。
それをよくよく読むと
…もしかしたら、睡獣とは
ひつじは睡獣だったのかもしれません。
なぜ倒した睡獣のたまごをひつじは取り出し抱いていたのか。
なぜこの記憶だけ仲間たちは忘れてしまうのか。
なぜ夢見部隊の男は謎の警告をしてきたのか。
主人公の能力は「ネヴァースリーパー」
夢に影響されることなく行動できる稀有な存在です。
主人公を懐柔することで、夢も現実も支配できるとしたら。
すべて個人的な妄想です。
すべては著者の夢の中なのです。
【あらすじ】
不眠症の高校生・帆影沙耶は、
どんな相手でも眠らせられる金春ひつじと
夢の中で「恋人」として出逢う。
この街では、眠りの世界〈ナイトランド〉で人の精神に取り憑く睡獣と、
ひつじたちのように夢で自由に動ける能力者スリープウォーカーたちの戦いが
人知れず続いていたのだった――
添い寝で戦う少女たちの物語
著者:宮澤 伊織
出版社:早川書房
発売日:2021/1/7
【本日のサムネイル】
寝ている女の子のイラスト
ベッドですやすやと寝ているかわいい女の子のイラストです。
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