朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録

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ノンフィクション

【初回公開:2011/05/30 (Mon) 14:59】

朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮文庫

  • 文庫: 221ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/09)
  • ISBN-10: 9784101295510
  • ISBN-13: 978-4101295510
  • ASIN: 4101295514
  • 発売日: 2006/09
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1 cm

1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。
核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者の命を救うべく、
83日間にわたる壮絶な闘いがはじまった──。
「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生することなく次第に朽ちていく体。
最新医学を駆使し、懸命に前例のない治療を続ける医療スタッフの苦悩。
人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問いかける、渾身のドキュメント。
(『東海村臨界事故 被曝治療83日間の記録』改題)
(Amazonより)





311直後、この本を捜した。
市内の大型書店に問い合わせ、半日車で書店行脚をして入手。
入手したことをツイッターで呟いたら
フォロあーさんからこの元になったNHKスペシャルの動画を戴いた。
動画を見てから読んだ。

個人的な事ではあるが、私の実家は福島原発から30km圏内にある。
姉の家は津波にさらわれ、
家族も、兄弟も、友人も、ふるさとも立ち入り禁止区画となった。
幼い頃から原発はそこにあった。
「原発が爆発したらみんな一瞬でしぬんだよ」
子供の頃、父に言われたのが嘘だと
情けないことに、今回の件で知った。

311以降、世界はコントロール不能になった原発に恐れを抱いている。
何故か?
自分も含めて原発の知識がない人が多いからだ。
いま自分ができることはなんだ?
そう考えた時、それらのことを知ろう、そう思ってこれを捜した。


自分の仕事がほんとうに安全なのか。
それを確認して行動している人は少ないと思う。
世の中にはISOなどもあるが
実際そのマニュアル通りに行ってないところが多いと思う。
(余談だが、自分がかつて働いてた所にも裏マニュアルは存在していた)
よくニュースで聞く、「マニュアルとは違った方法をしていました」。
理由は「面倒くさい」「手間がかかる」
本当にいいのだろうか?
それが命と、直結していないと誰が言えるのか?

東海村臨界事故はそういうどこの会社でもしがちなことから始まった。
そして大惨事と、後手後手な後始末。
そして被曝。
タイトルに「朽ちていった」とあるが
私は「生きながらしんだ」と思った。
本当は彼は途中で気づいていたと思う。
看護士も語っていた事だが、生きれないこと。
再生できないということは、こんなにも直結した死と誰が思っていたか。


先日この本が書店でうず高く積み上げられていた。
もはや人々の関心は原発から離れつつあるようで
これを手にしてる人はいなかった。
日々報道される、福島第一原子力発電所の事故。
この復旧作業に当たってるほとんどの作業員は
今回の地震や事故で被害者となってる人達です。
その中に私の友人の親、兄弟もいます。
誰も彼と同じ犠牲になりませんように。
ただ祈るだけです。

タイトル:朽ちていった命 被曝治療83日間の記録
著者:NHK「東海村臨界事故」取材班
出版社:新潮社

朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫)

【2020/11/17 追記】

東日本大震災の時、地震だけでなく原発事故も起きたと分かった時正直重大さに気づいてなく

当時全く原発事故に対しての知識がなかったので、もし被爆したらどうなるのかを知りたく探しまくって購入したのがこれでした。

どんな仕事も楽をしたくなるのは人間の性のようなものなのでしょうか。

マニュアルを無視した簡易方で作業が行われ、それは全く安全とはいえない方法で事故は起きました。

そこで被爆してしまった方の治療にあたった医療関係者の話になります。

生きながら細胞がどんどん死んでいく過程がリアルに描かれています。

なぜマニュアルが存在するのか、取り扱ってるものの特性を知る。

そういう当たり前があたりまえに行うことができない余裕がない、そんな時代に突入した象徴のような事故だったと思います。

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