どんな内容なの
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1970~80年代、資源を求めた日本がアフリカ大陸に残したものは、
HonyaClub より
巨大な開発計画の失敗とさび付いた採掘工場群。
そして、コンゴ人女性との間に生まれた子どもたちだった──。
経済成長期の闇に迫る、衝撃のルポルタージュ。
序章 不可解なルポルタージュ
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2016年3月「Twitter」(現在はX)の著者のアカウントに
とあるリプライが届く。
「1970年代コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴い
1000人以上の日本人男性が現地に赴任、
そこで生まれた日本人の子どもを、
日本人医師と看護婦が毒殺したことを報道したことがありますか?」
第一章 真実への距離
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当時アフリカ特派員だった著者は思った以上にするすると
取材の問題が解決していく。
(距離、通訳など)
現地には「日本カタンガ協会」という団体があったのだ。
第二章 ジャパニーズ・ネームの秘密
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日本有数の鉱山企業がかつてこの地に銅鉱山を開設
その際に日本人労働者とコンゴ人女性の間に生まれた子どもが
この地に置き去りにされたという、日本ではあまり知られていない事実は
著者を興奮させた。
第三章 日本人が遺したもの
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著者と田邊はソデミザ社を訪問する。
そこであった事務員は田邊と古い知り合いで、当時の書類を見せてくれた。
第四章 BBCの「誤報」
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日本人二人が農村地帯で取材を続けていると目立ってしまい、
肝心の取材が出来なくなってしまう。
そこでナイロビ支局でも取材助手をしてくれたマサイ出身のレオンに
当時の看護婦へのインタビューをお願いすることにした。
第五章 修道院の光
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残留日本人孤児たちへひとりひとり聞き取り取材を行っていく。
彼らが劣悪な環境で暮らしている現実に直面する。
その取材は日本人労働者の元妻たちへと広げていった。
第六章 空と銃声
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田邊によるとコンゴにおける日本人残留児をめぐる問題は
複数のメディアによって取材されるも世の出されることはなかったという。
第七章 祖国への旅
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日本への短期出張で著者はとある大学院での対面取材と
とメールをやり取りしていたある人との電話取材を行う。
第八章 富と紛争
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南北スーダンには独立前確認されてるだけでも、63億バレルの石油資源が埋まっていた。
その他東コンゴには希少な金属が大量に眠っているという。
それを求めて紛争が起きている。
第九章 未来への賭け
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なかなか取材が思うようにいかないことに対して著者はある提案を行う。
いままで取材してきたことを一個人として
Twitterアカウントにて発信を行ったのだ。
第一〇章 医師たちの証言
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かつて鉱山の病院で働いていた医師を訪ねるために著者は日本に戻る。
出会った医師たちはみな「そのような子どもを殺すなどしていない」と証言する。
そして当時の状況を話すのだった。
第一一章 闇の奥へ
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元幹部、当時の現地事務長との取材を行う著者。
彼は当時日本人と現地人との間に子どもが生まれ、
撤退時に取り残されてしまったということを認めたのだった。
そしてもう一人の取材で、今までの取材を覆される一言が飛び出した。
第一二章 伴走者への手紙
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急遽日本へ戻ることが決まった著者が田邊にあてて
今までをまとめたことをメール形式で書いてある。
第一三章 正しく生きるということ
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日本に帰国する直前に著者は田邊の家に一泊する。
そこで今までの取材のことを語り合う。
そして田邊はある行動を行う。
あとがき 悲しき宿命の残影
読んでみて
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「1970年代コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴い
1000人以上の日本人男性が現地に赴任、
そこで生まれた日本人の子どもを、
日本人医師と看護婦が毒殺したことを報道したことがありますか?」
このリプライからはじまる壮大ともいえるノンフィクションは
執筆されるまで6年の時間がかかったそうです。
日本人残留児を一人一人尋ね歩き、丁寧に取材を行う。
通訳を介して行われたこれは一日2人もしくは3人
そして終わった後ていねいにまとめられたそうです。
この取材だけでも大変なのに、同時に日本側、当時の企業関係者や
病院関係者の捜索もしていたというのですから
ものすごい仕事です。
(新聞社の駐在員なのでその仕事もあったはず)
コンゴにいる日本人残留孤児の父親を捜すということは
必ずしも「正しいこと」ではない。
なぜなら彼らはコンゴに「単身赴任」としてやってきたものも多かった。
つまり日本に妻と子どもを残してやってきたのです。
現在60以上の彼らに、コンゴにいる子どものことを告げたら
それは今までの日本人の家族を壊すことにならないだろうか。
それでもコンゴには父親に会いたいと思う子どもがいる…
どちらかが正かはわかりません。
「子ども作った男が悪い!」
そう簡単なはなしでもありません。
企業はこのようなことがあったことを認めてはいませんが
支援できることがあったらと回答しています。
これは一体だれが悪いのでしょうか…
非常に考えさせられた読後となりました。
著者:三浦英之
出版社:集英社
発売日:2022年10月31日
【本日のサムネイル】
アフリカの国旗のイラスト(コンゴ)
アフリカ大陸にあるさまざまな国々で使われている
国旗のイラストをデフォルメしたものです。
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