【ロマンか詐欺師か】偽書「東日流外三郡誌」事件

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ノンフィクション

どんな内容なの

十四年前、「東日流外三郡誌」が戦後最大の偽書と呼ばれ、
本州最北端の地を巻き込む社会問題にまで発展したのはなぜなのか?
擁護派の敵とされながらも、真偽の追及に奔走した東奥日報の記者が真実に迫る。

HonyaClub より

そもそもタイトル、なんてよむの?

ぎしょ つがるそとさんぐんしじけん」と読みます。

『東日流外三郡誌』(つがるそとさんぐんし)は、
古史古伝の一つで、古代における日本の東北地方、
特に現在の青森県のほか岩手県、秋田県を含む北東北などの
知られざる歴史が書かれているとされていた、
いわゆる和田家文書を代表する文献。
ただし、学界では偽作(偽書)説が確実視されており、
単に偽作であるだけでなく、
古文書学で定義される古文書の様式を持っていないという点でも
厳密には古文書と言い難いと言われている。

Wikipediaより

東奥日報社に勤務していた著者はとある訴訟について取材に行くことになった。
それは「東日流外三郡誌」なるものに関するという。
原告に連絡を取ってみると自分が撮影した写真と記事論文が勝手に使われたという。
「自分の研究がうその歴史の証拠として利用されるのがいやなんです」
過去のものである古文書に現代の知識が盛り込まれている?
それから著者は10年以上この事件を追いかけることとなったのである。

読んでみて

地方在住の男性が自分で地域の歴史を盛り込んだ古文書もどきを作って売ったりしてたら
ネタをパクった先から訴えられたことからずるずると今までのことがばれたよ
でも高齢だったのでなにも話さないまま亡くなったよ。
それを事件を追いかけていた新聞記者がまとめたのが本書です。
一度絶版になりましたが、2019年に復刊されたので気軽に読むことが出来ます。

長い時間をかけてこの偽書を作り続けていた和田喜八郎。
筆記具が筆ペンだとばれても、古文書の中に時代がずれているものが描いてあっても
イラストが著名な画家の作品のパクリと指摘されても
擁護派が守り続けるのがすごいところです。
古代史家の古田武彦氏までもが擁護していました。
実際この古文書を信じ町おこしとして予算を組み、
お土産物を発掘されたものと祭っていた町もありました。
問題なのが関係者が「なんかおかしい」と感じながらも
それらの手続きを行っていたのです。

著者が新聞記者で取材を行っていただけあり
詳細がかかれており
事件がどのように波及していったかがわかります。
このようなまとめ本はなかなかないと思います。


戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」

著者:斎藤 光政
出版社:集英社
発売日:2019年3月20日

※復刻版のデータとなります。


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【本日のサムネイル】
古文書のイラスト(縦書き)
日本や中国で遠い昔に書かれたボロボロの古い文書のイラストです。

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