【打ち上げられたクジラってどうなるの?】海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること

ノンフィクション

海に囲まれた日本では、
実は毎日どこかでクジラやイルカなど
海のいきものが浜辺に打ち上げられています。
それらを解剖したり、
なぜ座礁したのかを調べている著者の本です。

ストランディング

本書には
ストランディング
という言葉が何度も出てきます。

ストランディングとは
クジラなどの海洋生物が浅瀬で座礁したり
海岸に打ち上げられる現象

本書はじめに から引用

ストランディングした海の哺乳類の死体を解剖し、
死因やなぜストランディングしてしまったを究明したり
その死体を用いて標本をつくる工程なども書かれています。

博物館のしごと

主に一章になりますが
博物館にて勤務している職員さん、学者さんたちが
日々どのような仕事をされているか書かれています。

たとえば
・剥製作り。
動物の大きさによって作業が異なります。
海の生きものは重たい!匂いもすごい!

・博物館業務
標本の整理・管理など…

その多忙な中で自分の研究業務を行っています。
論文の執筆や事務への提出書類作成など
デスクワークも多いそうです。

ですがストランディングの連絡がくるとすべて中止です。
海の哺乳類は死体で漂着することが多く
時間が経過するほど腐敗が進んでしまうからです。

様々なストランディングの現場

ストランディングをはじめて経験した自治体は
それらを粗大ごみとして処理してしまいます。
上記にもかいたように
死体で漂着した生き物は腐敗が進んでしまうので
自治体も早く処理したいのが本音です。
丁寧に説明し、納得していただき許可をいただいてからの調査となります。

ストランディングする生き物は
季節によって異なったり
なぜその季節に座礁する種が多いのか。
生き物の行動から探っていきます。
また海外ではストランディングに対するシステムが
日本と異なったり
日本ではほぼ見ることの出来ないマナティの保護活動など
著者の多岐にわたる活動も書かれています。

よんでみて

標本バカ

フタバスズキリュウ もうひとつの物語

もがいて、もがいて、古生物学者!! ーみんなが恐竜博士になれるわけじゃないからー

博物館系のお仕事本
今回で四冊目になりますが
とにかくストランディング見つけたら連絡して!!
が全ページにわたり訴えていると感じました。
時間との戦いであること
座礁してしまった生き物を救いたい
なぜ座礁してしまったのか
それらを解明したいという気持ち。
私たちが思っている以上に大変なこの仕事、
実は女性が多いそうです。
そんな関係者じゃないとわからないことも書かれています。
また
博物館のうらで目立たないけれど
実はスゴ腕の技術者が働いてる人たちをコラムにてかいているのも
読み応えがありますよ。

是非よんでみてくださいね!

【目次】
日本一クジラを解剖してきた研究者の
七転八倒の毎日。
海の哺乳類の知られざる生態に迫る!

1章 海獣学者の汗まみれな毎日
2章 砂浜に打ち上がる無数のクジラたち
3章 ストランディングの謎を追う
4章 かつてイルカには手も足もあった
5章 アザラシの睾丸は体内にしまわれている
6章 ジュゴン、マナティは生粋のベジタリアン
7章 死体から聞こえるメッセージ

HonyaClub より

★ぜひよんでみてね★

海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること

著者:田島木綿子
出版社:山と渓谷社
発売日:2021/7/17


【本日のサムネイル】
座礁したクジラのイラスト
海に戻れなくなって困っている浅瀬に座礁した鯨のイラストです。

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