どんな内容なの
いまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。
HonyaClub より
そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?
どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューが
コピペのように並ぶのはどうしてか?
「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、
どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…
その謎を追ううちに見えてきたのは、
日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、
海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。
おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション
第1章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか
サブタイトルにある「インネパ」
ネパール人経営のインド料理店
それは現在日本に4,000~5,000軒あるといわれている。
何故こんなにも増えているのだろうか。
第2章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち
インネパのお店に行くとだいたい同じようなメニューである。
そのテンプレートをつくったのはいったい誰なのだろうか。
日本国内におけるインド料理史を調べてみた。
第3章 インドカレー店が急増したワケ
インド料理店が成功したことで、日本人もその経営に乗り出す。
90年代になるとコックのビザが取りやすくなり、
ネパール人コックが増えていく。
第4章 日本を制覇するカレー移民
東京だけでなく、東海、近畿と日本全国にカレー屋が広がっている。
当時コックとして働いていた彼らは仕事が軌道にのると、経営者となったり
ネパールから家族を呼び、または日本人と結婚し日本になじんでいく。
第5章 稼げる店のヒミツ
ではどのように会社を起こせばいいのだろうか。
それにはいくつかコツのようなものがある。
そのひとつに「タンドール」がある。
第6章 カレービジネスのダークサイド
ネパール人コックが独立してオーナーになり、ネパールから新たなコックを呼び
そのコックも独立していく
そんなビジネスも、そううまくいくわけではない。
コックのブローカー化が問題となっている。
第7章 搾取されるネパール人コック
ネパールから大金を払って日本にやってきたコックたち。
夢と希望にあふれてやってきた彼らは劣悪な待遇にさらされることも多い。
長時間労働、低賃金、社会保障なしなどである。
第8章 カレー屋の妻と子供たち
父親がコックで滞在しており、日本に呼ばれてやってきたのは妻だけではなく子どももいる。
そんな子どもの年齢は様々で、そんな彼らは日本語もわからない上に
ネパールの教育も途中半端でやってきたものも多い。
彼らは今後どうなってしまうのだろうか。
第9章 カレー移民の里、バグルンを旅する
インネパ関係者の出身地域で多いネパール中部のバグルン。
著者はそのバグルンに赴き、その地域の生活を感じる。
そして知人の子どもの友人に会いに行く。
よんでみて
コンビニ商品で発売されるたび話題にあがる「ビリヤニ」
今年にはじめてお店でそのビリヤニを食べました。
日本ではない雰囲気あふれる店内はスパイスの香りと調度品にどきどきしたり
おいしさに嬉しくなったりでした。
ですが気になったのは、店員さんにメニューの内容を聞いても
「日本語がわからない」と手でばってんをつくり微笑むだけ。
昔からあるお店だったので、新人さんだったのだろうかと思っていました。
日本全国にあるインドカレー屋さん。
その裏側を赤裸々に取材した本書は、カレービジネスの光と闇が書かれています。
ネパールには自称「日本でうまくやった」人や家族がおり
耳障りのよいことだけが聞こえます。
それを鵜呑みにして大金を一族でかき集め、代表の男を日本に行かせる。
日本に渡って劣悪な条件でやったこともない料理を作り、少ない給料を仕送りする。
コックをしに日本に渡ってきてるのに、母国では全く料理をしたことがないとは!
その仕送りで首都のカトマンズの土地を買ったり
都市部に御殿を作るので、ふるさとの山間部は過疎化がすすむ…
妻と子どもを呼び寄せても、子どもがなじまず学校にいけず
両親は日々の仕事に忙殺されて十分にケアができない…
コックになった、お金が手に入った、HAPPY!
とはいかず、複雑な問題となっています。
せめて労働環境だけでも改善できないでしょうか。
著者:室橋裕和
出版社:集英社
発売日:2024/3/15
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【本日のサムネイル】
カレーとナンのイラスト(エスニック料理)
ナンとグリーンカレー、イエローカレー、レッドカレーがセットになっているイラストです。
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