なんで僕に聞くんだろう

文芸

【初回公開:2020/09/14 (Mon) 10:39】

「なんで僕に聞くんだろう」
著者は常にそう思いながら寄せられた悩み相談に答えています。
ガンの公表をしたらなぜか悩み相談が来るようになったという。
人は何を求めて著者に悩みを打ち明けるのか。
それを知りたくて、この本を手にした。

なんてかっこいい理由ではありません。
実は私も打ち明けたいことがあるのです。
cakesで読むたびに、ああ自分も打ち明けたい!なんでもいいから声をかけてもらいたい。
その気持ちと、自分で何とかしなきゃの葛藤を飛び越えてメールした人たちが
著者に読んでもらって、答えをもらっている。
単純にうらやましい、です。
正確には答えでもないし、やさしい言葉じゃないことも多い。
それでも、背中を誰かに押してもらいたい。
それをしてもらった人たちの悩みと、その答えをみるのは
下衆っぽく、ある意味甘美なものにも感じる。
考えてみたら自分の場合、いつも悩みの答えはどこかに感じてる。
なのにそれを見ない、踏み出せない。
誰かに「いいんじゃない」「つらかったね」と言葉を投げてもらいたい。
親、きょうだい、友達、フォロアー。
そうじゃなくて、自分を知らない誰かに秘密を打ち明けるのは
どこかドキドキする。
それを垣間見た。

基本的に著者はやさしくないです。
やさしくない、というよりも「どうでもいい」のが正解な気がする。
悩みの内容によっては叱咤もする。
ただ、始終冷静です。
どこか達観した空気で淡々としすぎず、答えていく。
その文章の中にちょっとだけ、本音のような言葉が見え隠れする。
それを皆ほしいのだと思う。
フクロウのような人だなといつ読んでも感じる。

タイトル:なんで僕に聞くんだろう
著者:幡野広志
出版社:幻冬舎

【2020/10/26追記】

昔からなんでかすごく相談をされるのですが
あとで考えると自分の考えを押し付けてしまっただけなのではと思ってしまいます。
著者のすごいことは「相談されたことはぜーんぶ他人事」というスタンスでやってます。

(はっきり書いてないので私が勝手にそう思ってるだけですよ)
他人事で相談ってすごくハードル高くってそんなんできんわい!!って思っちゃう。
実は病気されてて末期がんなのに相談受けてる。
そんなんせんで自分の人生謳歌せばいいのになあっておもうんですが
その答えが絶妙で、自分が相談してないのに
こう胸にぐっときちゃうんです。
才能だと思います。

いつか撮影していただきたいし、相談にものっていただきたい。

お子さんにたいする姿勢も本当に真摯で、ひとりの人間としての扱いで

心からすごいなあと思います。

写真も素敵ですしずるいですよね

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