【漫画】螺旋じかけの海

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どこまでも優しくて残酷なうた

「ヒトの線引きからあぶれた生き物を好きにしていいのなら、
私も私を好きに扱っていいだろう――?」


遺伝子操作が産業として発達し、
人間であることの線引きを自由に操作することすら可能となった世界。
水没した街の残骸で暮らす人々の中には、
人間以外の動物の遺伝子を持つ「劣った」者が存在する。
遺伝操作を生業とする生体操作師・音喜多(おときた)。
自身も何種もの異種遺伝子を抱え、
自分を実験体にし続け生きる彼の元に、
様々な事情を抱えた者たちが訪れる――。


「人間と他の生物を分かつものは何か」
月刊アフタヌーンで不定期連載された読切連作、
作者再編集によるデジタル新装版として配信

もともと出版されていた作品を、作者が再編集し電子書籍として配信するという
最近ちらほら見かけるようになりました。

作者は医師を続けながら漫画を描くという二足のわらじです。
なので妙な説得力のあるシーンが多いのが特徴です。
2021年6月現在三巻まで配信されていますが
どのお話も「動物の遺伝子のせいで」悲しい過去をもっていたり
でもたくましく生きている人たちが登場します。
主人公である音喜多と、その相棒である雪晴の出会いの物語である三巻
「烏を屠る旅」は
この世界の一般的な生活(「陸」の生活)と
そこに住む人々の考えなども描かれており
ある意味ぞっとしつつも
「これが人間なんだよな」と思ったり
今までの物語があるからこそ、この話が活きてると感じました。
どの話も短編なので単独で読めますが
三巻だけは、前巻である一巻と二巻を読んでからお薦めします。

・螺旋じかけの海
一巻:・虚ろ羽の飛ぶ海
   ・子羊の惑う街
   ・鰐の歌う淵
二巻:・花と揺れる嘘
   ・金色を渡る鳩
   ・人魚が融ける指
三巻:・魔女の語る森
   ・烏を屠る旅

螺旋じかけの海【新装版】(1)

著者:永田礼路
出版社:ナンバーナイン
発売日:2019/12/27

【本日のサムネイル】
水平線のイラスト(背景素材)
大きな海と雲が浮かぶ青空が広がる背景素材です。

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