【知ってほしい】累犯障害者

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ノンフィクション

今回紹介する本は
山本譲司さんの
累犯障害者
です。

どんな内容の本なの?

刑務所だけが、安住の地だった―
何度も服役を繰り返す老年の下関駅放火犯。
家族のほとんどが障害者だった、浅草通り魔殺人の犯人。
悪びれもせず売春を繰り返す知的障害女性たち。
仲間内で犯罪組織を作るろうあ者たちのコミュニティ。
彼らはなぜ罪を重ねるのか?
障害者による事件を取材して見えてきた、
刑務所や裁判所、
そして福祉が抱える問題点を鋭く追究するルポルタージュ。

HonyaClub より

序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件

2006年1月下関駅が放火され、容疑者が逮捕された。
放火の理由は
「刑務所に戻りたかったから火をつけた」
彼は8日前まで刑務所に服役していた、元受刑者だった。

第1章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件

女子短大生がレッサーパンダの帽子をかぶった男に刺殺された事件
著者はこの事件報道がぱたりと止まったことに気が付く。
犯人が捕まったあとの後追い報道がないのだ。
犯人は知的障害者だったことで報道がされなくなっていたのだった。
犯人である山口被告の半生がまとめられています。

第2章 障害者を食い物にする人々―宇都宮・誤認逮捕事件

2004年2つの強盗事件が宇都宮市で発生。
その犯人として知的障害者の男性が逮捕、
起訴された後に真犯人が判明したことが明らかになった。
警察に質問されてもおうむ返しに答えてしまう。
あきらかにその質問内容を理解してるとはいいがたい受け答えは自白と捉えられて
真犯人が見つからなければそのまま刑務所へとなっていたことだろう。
そんな彼の面倒を見ているとされていた養父は、実は養子縁組された赤の他人。
障害者年金を狙って彼だけでなく複数人の知的障害者と養子縁組をしていたのだ。

第3章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち

重度の知的障害を持つ母と、軽度の知的障害をもつ息子
そして中度の知的障害の女性。
母親と女性は二代にわたって身を売っている。
その間だけはたのしいという。
男性にやさしくされるからだという。

第4章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用する偽装結婚の実態

第5章 多重人格という檻―性的虐待が生む情緒障害者たち

4章5章は文庫版のみ追記されています。
単行本には載っていませんのでご注意ください。

第6章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件

2005年8月浜松の山林から女性の遺体が発見された。
加害者、被害者はともに同級生で、かつどちらも耳が聞こえない聴覚障害者だった。
かつての法律では聴覚障害者は犯罪をおかしても罰せられなかった。
「耳が聞こえないならば手話があるではないか」
そう思うが、実際には手以外の動作が極めて重要な役割を持つ。
日本語とは全く異なる手話を使ったコミュニケーションで警察とやり取りするのだが
その通訳も正しい訳をするわけではないという。

第7章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち

生まれながら障害を抱えていながら全く福祉につながってない
つながらないというケースがある。
そしてそんな人たちのネットワークに目をつけて犯罪に結びつけるというケースもある。
ろうあ者だけの暴力団がその一つである。

終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点

一度犯罪行為を行って刑に処された障害者は出所後に居場所はない。
知的障碍者のある受刑者の7割以上が
刑務所への再入所者である。

読んでみて

著者は一度刑務所に収監されており
そこで出会った受刑者のひとたち多数が障害を抱えていることに気づきます。
障害者手帳を持っている、
軽度なことから手帳をもっていない、
そんな人たちと一緒に生活をしたことで、
「実は障害者が犯罪に関わっていることが多いのでは」
と考えるようになりました。
この本は被害者、加害者が障害者というケースを集めた内容になっています。

福祉とつながっていない、
家族が本人に興味がなく放置されている、
優しくしてくれていた人のいうことを聞いていたら犯罪にまきこまれていた、
やさしくしてくれるから誰とでも性交する、
障害年金を狙って犯罪に巻き込まれた、
そもそも犯罪をしてると認識できない、
なんともいえないケースばかりです。

メディアでは障がい者についての報道はなかなかされないので
このような内容の本は初めてだったのでただただ驚きました。


障がい者といえ20を過ぎたら成人で、自分の考えや意見は尊重されるべきですが
そもそもの「わるいこと」が認識できないレベルである場合
社会はどうしたらいいのでしょうか。
「今までで刑務所が一番暮らしやすかった」
そういって再犯をしてしまう彼らの居場所はどこにあるのかと
考えずにはいられません。


私たちにできる最初の一歩は
「こういう人たちがいる」
と知ることだと思います。


累犯障害者

著者:山本譲司
出版社:新潮社
発売日:2009/3/30


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【本日のサムネイル】
受刑者のイラスト(男性)
刑務所に収容された、グレーの囚人服(舎房着)を着た
男性の受刑者(服役囚・囚人)のイラストです。

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