ししりばの家 【比嘉姉妹シリーズ4】

文芸

比嘉姉妹シリーズの4作目です。
(「ぼぎわんが、来る」、「ずうのめ人形」「などらきの首」が前作みっつです)



今回の物語は「家」というかたちの呪いでした。
家というものにこだわり続けるバケモノ。
家とは、家族とは、「父」「母」「子ども」「祖父」「祖母」が昔は一般的です。
今だと「祖父母」と一緒に住んでいるのは地方だけのことかもしれませんが
この呪いであってバケモノは江戸時代からのことなので、「祖父母」までこだわります。
そこから逸脱してはいけないのです。
なぜならば、家族ですから。

物語は「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」と同様に
二つのパートが同時進行、または現在と過去というように
ふたつの物語がやがてひとつになって解決、
というものが多く感じます。
今回もその流れです。

今回はメインである果歩、そして五十嵐それぞれの物語ですすみます。

果歩は引っ越し先で出会った幼馴染の男性夫婦の家に遊びに行くようになるも、
ある日その妻から相談を持ち掛けられます。
それに関わるようになって、その家に「砂が積もっている」ことに気づきます。
夫婦はそこに砂があることになんら疑問をもっていません。

五十嵐は小学時代に、「とある家」に肝試しに友人らと行き
そしてそこでおかしくなります。
「頭の中に砂が詰まってしまい」、それが流れ続けるのです。
そのためにまともに考えることが出来ず、そしてニートになってしまっています。

「ししりば」は、家を守るバケモノのようです。
自分が守る家には「「父」「母」「子ども」「高齢の親」
これらでひとセットです。
これらがそろっていないと納得しない、
守るべき対象が足りないのです。
仮に「高齢の親」が亡くなれば、その代わりをどこからか連れてくるのです。
そして「ここに住む高齢の親」という役割に成るのです。

肝試しに入った五十嵐と琴子は
とあることで「家族」ともならず殺されもしなかったですが
そのせいで二人の人生は大きく変化します。
五十嵐だけでなく、琴子もこの「砂」のせいで「能力者」と成ってしまっていました。
そしてそのせいで家族をほとんど失っていたのです。
「ずっと気にかけていたけれど、やっと向き合うことができた」
そういったのは琴子ですが、五十嵐も同じで
二人には時間が必要だったのでしょう。
しかし「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」と同様に
最後にある、やるせなさと不安材料が残されているのは
人間の愚かさなのでしょうか?

毎回この「最後」がこわいです。
本文はある意味この最期を際立たせる装置でしかないのでは?と
思ってしまいます。



【あらすじ】

夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。
しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。
怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。
おかしいのはこの家か、それとも、わたしか――?

ししりばの家 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
発売日:


【本日のサムネイル】
雨戸が閉じた家のイラスト
雨戸が閉まった状態の家のイラストです。

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