【ちょっと理由ありのドジっ子人工妖精の冒険譚】スワロウテイル人工処女販売処

文芸

【初回公開:2011/05/16 (Mon) 14:44】

スワロウテイル人工処女販売処
籘真 千歳
ハヤカワ文庫JA

  • 文庫: 528ページ
  • 出版社: 早川書房 (2010/6/30)
  • ISBN-10: 4150310017
  • ISBN-13: 978-4150310011
  • 発売日: 2010/6/30
  • 商品の寸法: 15.8 x 10.8 x 2.4 cm

〈種のアポトーシス〉の蔓延により、
関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、
人を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。
その一体である揚羽(あげは)は、
死んだ人工妖精の心を読む力を使い、
自警団(イエロー)の曽田陽介と共に連続殺人犯”傘持ち(アンブレラ)”を追っていた。
被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、
自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、
その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる――苛烈なるヒューマノイド共生SF
(Amazonより

Sexのない世界。
Sexすると死にゆく病気。
そういう世界が舞台。
正直ジャケ買いです。
あらータイトルとイラストかわいいなあ。
単純にそう思って、粗筋読んだら
なんと自分好みか。
そんな出会い。

男女が別れて生活。
それぞれ欠けた性別の為(でもないのかな?)
フィギュアと呼ばれる人工妖精がそれを担う。
ベーシックインカムさながらの生活。
働かなくてもある程度の生活と
高い福祉サービスがある世界。
空気はある病気の為
健康に害とされるものが発生すれば
人工蝶がそれらを分解する。
ごみもそう。
そこに生きる人工妖精の揚羽(あげは)が主人公。

私の口癖は「バカは嫌いだ」。
まあ何故それが口癖かの理由はともかく
自分がバカと思うなら
学習するなりなんなりしろよと思う。

主人公揚羽はそういうタイプ。
自分がバカで醜いと思ってる。
正直読んでて顔を覆いたくなった。
でも彼女はそれでも自分が出来ることを一生懸命やる。
それがひとごろしでも。

とにかく揚羽は健気。
でもそこには思い込みがあって
そこが(私は)気に入らないけれど
その不器用な生き方にはエールを送りながら読んでいた。
幸せを願う心。
誰かの為にすること。
母と娘と、その根底にあるもの。
ただのロボット(フィギュア)の話だけれど
作者の意図にはないかもしれないけれど
幸せを願う行為とはどういうことかと
読んだ後でちょっと考えた。

こんな未来も悪くないんじゃないかな?

タイトル:スワロウテイル人工処女販売処
著者:藤間千歳
出版社:早川文庫JA

スワロウテイル人工少女販売処

【2020/11/06追記】

Amazonみてたらシリーズ全部読んでたつもりが序章買ってなかったぞい!

ええと。男女別に暮らしてるとかは実際物語にそんなに深く関係はないというか

そういう舞台だなくらいの認識で大丈夫です。

この物語は人工妖精と称されたロボット(正確には違いますが)の揚羽が

自分の産まれた意味だったり人生そのものを知る話です。

この巻は比較的ゆるふわなのですが、個人的にはすごく苛つきました。

揚羽が「自分なんて」な思考なので、どうしてもこうイラっとしてしまってましたが

続刊を読むと、まあそうだよなとなっていきます。

揚羽自身は全く悪くないのに、たまたま偶然が重なってしまった。

そのせいでいろいろなことがおきただけ。

それを揚羽は抱えていきます。

なんとまあ健気な。

となっていくのでこの巻で行けそうな方は迷わず全巻一気読みを推奨。

なかなか世界が複雑化していますがそこも面白いところです。

個人的には相関図あってもいいのよ?と思うと同時にそれじゃ謎一気に解けてつまんないかもなあ、な気持ちです。

かわいらしい揚羽ががんばる!話です。

幸せにしてあげたい揚羽かわいいよ揚羽!

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