VR(バーチャルリアリティ)技術は医療を大きく変えようとしています。
外科手術ナビゲーションで活躍するVR技術、AR(拡張現実)を応用したリハビリテーション、
ホログラムによる臨場感抜群の人体解剖教育、
セカイカメラ開発に携わったテクノロジストが挑むヘルスケアサービス、
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で没入体験する患者体内、
スマホから飛び出すリアリティ満点の血管や臓器……。
SF小説やハリウッド映画のような世界が現実の医療でもすでに実現しているのです。
本書は、医療従事者はもちろん、
医療職を志望する方や、医療や医学に興味のある方が、
VR/AR医療を体験したり、実践するための有益な情報や
興味深い話題を紹介するガイドブックです。
大型本です。
A4フルカラーです。
こういうVR系本でこのようなタイプのものは珍しいです。
現役の医師でもある著者が、
医療現場でVR/ARを用いた治療法や、教育システムを用いた事例を紹介してます。
目次と概要
part1 医療現場で起こる革新的VRの衝撃
→・ヘッドマウントディスプレイの種類や各性能について
(価格、販売、視野角、画像解像度、接続機器など)
・VR/ARがもっと身近になる動画集
YouTubeにある臨床応用例やトレーニング例10例が紹介されています。
part2 臨床やリハビリ、医学教育で活躍するVR/AR活用レポート
→・ARを用いたリハビリテーションの実例、
・VRを用いた人体解剖授業
・著者の所属する会社であるHoloEyes株式会社のCEO兼CTO 谷口 直嗣氏の
ビジネス展開についてのインタビュー
・腹腔鏡下手術でのVR活用
part3 人体VR画像が無料で作れる、気軽に試せる実践VR医療
→「ハイエンドHMDであるHTC Viveを用いて人体VRを体験してみよう」とめいうって
実際コンテンツをつくる工程の説明が書かれています。
説明が丁寧なのでわかりやすいです。
part4 VR/AR医療を今すぐ体験できる、実践に役立つアプリケーション集
→10種類のアプリケーションが紹介されています。
医療系だけでなくコンテンツ作成に役立つアプリケーションが紹介されているので
実際作ってみる際に便利です。
またGoProVRやハコスコも掲載されています。
読んでみて
これを購入して初めて読んだのが入院中だったので
自分もこのような治療をされたいなと思いました。
(これから手術する部位などVRを用いての説明例などがあります)
神の手を持つ医師、といわれる名医は数名しかいませんが
その難しい治療テクニックが誰でもできるようになるにはどうしたらいいか
そういった教育プログラムがVRやAVなど用いて行われるのは素晴らしいことだと思います。
さまざまなVR/ARの実用例について書かれた本はありますが
医療に特化しておりかつ一般でもわかりやすいものは珍しいと思います。
また医療系アプリケーションのつくり方まで掲載されているのも珍しいです。
タイトル:VR/AR 医療の衝撃
著者:杉本真樹
出版社:ボーンデジタル
発売日:2017/2/19
【本日のサムネイル】
いろいろなMRゴーグルを付けた人のイラスト
HoloLensなどに代表される、MR(複合現実)を映し出すための
ヘッドマウントディスプレイを装着した男性(会社員・医師・作業員)のイラストです。
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