ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ノンフィクション

【初回公開:2010/08/11 (Wed) 19:00】

2013/07/16 (Tue) 16:06
ずる―嘘とごまかしの行動経済学
ダン アリエリー (著),櫻井 祐子 (翻訳)

単行本(ソフトカバー): 308ページ
出版社: 早川書房 (2012/12/7)
言語 日本語
ISBN-10: 4152093412
ISBN-13: 978-4152093417
発売日: 2012/12/7
商品パッケージの寸法: 18.6 x 13.2 x 2.2 cm

・ばれる確率が低くなっても、ごまかしは増えない?
・共同で仕事をすると、不正が増える?
・偽ブランドを身につけると、ずるしやすくなる?

たいていの人は、不正をするのは一握りの極悪人だけで、自分は正直者だと思っている。
しかし本当は、だれもがちょっとした「ずる」をしたり、嘘をついたりする。
そしてその小さなごまかしが大きな不正につながることも。
だったら、そのしくみを解明して、不正を減らす方法を探すべきなのでは?

この難問に行動経済学研究の第一人者ダン・アリエリー教授がとりくんで、
不正にまつわる一見意外なさまざまな事実を見出した。
たとえば、創造性の高い人ほどずるしやすいし、
不正請求は書類の署名の位置を変えるだけで減らすことができるのだ。

ビジネスや政治の場にごまかしを持ちこませず、
プライベートでも嘘のない関係を作るためのヒント満載。
わかりやすい実例といくつもの実験で、不正と意思決定の秘密を解き明かす!

(Amazonより

ずるって、言葉だとなんだかかわいいような
感じがします。
ちょっとしたごまかし、
といったものについてのことについて書かれています。

まず一番爆笑したのは冒頭、序章。

「相手が正直者かどうか、それを知る方法がひとつある。
そいつに直接聞いてみりゃいい。
「そうだ」と答えたら、そいつは悪党だ。」
   グルーチョ・マルクス

家人に聞いてみたら見事に!悪党でした。
でもきっと「そうだ」と答える人が多いでしょう。
人は自分が公正であると信じてます。
でもよく考えてみるとちょっとだけ「ずる」してる。
たとえば燃えるごみ。
私の住む自治体はごみ捨ては朝の7時から8時半と決まってます。
カラス避けのネットやサークルを使うことになってますが、
ネットをきちんとかけてる人は少ないです。
捨て方、分別も含めて
「これくらいいいか」という気持ちでずるをしてしまってる人
勿論私もそんな時があります。

この作者はじつにさまざまなシーンで人のちょっとしたずるさに気づいたり
遭遇したり、妄想したり。
そしてすぐに実験をする。
行動経済学者なのでその実験に、ほんの少しだけ金銭が関わってきます。
おかねは大事なものですが
時に人をずるさに走らせることがよくあります。
横領などわかりやすいものから
殺人事件など昨今の事件で金銭が絡んでないものはないほどでしょう。
数々の実験のなかでもっともおもしろいなと思ったのは
人種的にはどうかというもの。
人種的というより、文化的な違いをさぐるということ。
アメリカ人に比べてイギリス人はどうか?
オランダ人はどうかと。
たいていの人が母国のごまかしが多いと思っていたというのも興味深い。

実際はごまかしの量はどの国でも変わらなかったという結果には驚きました。
日本人で実験したと特に
記載されて
なかったのですが
日本は昔「おてんとうさまがみてる」とよく言われました。
誰かが見てなくても、お日様がみてるから悪いことはしてはいけない。
たぶんこれは似たような言葉は諸外国でもあると思います。

それでも人は誘惑に負けてちょっとしたごまかしを
してしまう。
結局
自分自身に勝つも負けるも
やっぱり自分自身なのだろうな
そう思った一冊でありました。

ずる 嘘とごまかしの行動経済学


著者:ダン アリエリー 翻訳:櫻井 祐子
出版社:早川書房
発売日:2013/1/25

【本日のサムネイル】
後出しジャンケンのイラスト
後からじゃんけんを出して勝とうとしている、ずるい男の子のイラストです。

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