サブタイトルに「マイクロプラスチックの実態と未来予測」とあるように
海の中に存在する細かくなったプラスチックがどのような過程でそうなってしまったのかのレポートです。
2020年夏からレジ袋有料化になった際「プラスチックごみを減らす」その理由として海にプラゴミが流出してるなどが挙げられていました。
当時は呑気だったので「なぜ海にプラゴミが流出するとこまるのか」まで考えてませんでした。
細かくなったやつ魚とか鳥が誤食するから、くらいでした。
まあ概ね正解なのですが、そのゴミが細かくマイクロまで成る工程がすごかった。
軽いプラスチックごみは海岸に打ちあがって再び海に戻るまで平均半年かかります。
海岸に漂着したプラゴミは紫外線にさらされ、酸素や水に触れて次第に劣化していきます。
そのまま海岸に放置されることで劣化し、波にもまれ、砂とこすれて微細なプラスチック片になっていくのです
紫外線で劣化して浜辺で粉々になるとは思ってもみませんでした。
しかもそのプラゴミが「マイクロ」になるまで、海は何度も浜辺に押しやってしまいます。
大きいうちはまだごみとして処理しやすいですが、微細になってしまったらそれらを取り除くことは難しくなります。
またそのゴミが汚染されていた場合(浮きなどは鉛が含まれているものもあります)微細になることで魚や鳥の体内にその汚染物質が蓄積されることもあるそうです。
生分解プラスチックもありますが、これは自然の状態で分解されることは非常に少ないそうで
ましてや海で分解される前に劣化でマイクロプラスチックとなってしまいます。
また「これは自然で分解されるから捨てても大丈夫」とゴミが増えてしまうことへの懸念もあるようです。
ただプラスチックをへらせばいい。
私もそう思っていました。
1980年代にはプラスチックの生産量が鋼鉄を越していました。
もはや私たちの生活に必要不可欠なものであることにちがいはありません。
一過性のことではなく、どうしたらゴミが減らせるかは現実的な問題として今後も考え続けていかなくてはいけないのだと思いました。
日本は世界でも稀にみる海洋ゴミのおおい地域なのですが
どのように海洋ゴミがあつまるのか、そもそもどこからそのゴミがでてくるのかなど
詳しいレポートが載っていますので是非一読してみてください。
タイトル:海洋プラスチックごみ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測
著者:磯辺篤彦
出版社:科学同人
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