今回紹介する本は
木古おうみさんの
「領怪神犯」の1巻2巻
です。
どんな内容なの?

【1巻あらすじ】
これは、人智を超えた危険な現象――領怪神犯に立ち向かう役人たちの記録。この世には善とも悪とも呼べない、理解不能な神がいる。
Amazonより
毎年身体の一部が村に降ってくる神、
不老不死の夢を見せる神、
あらゆる事象の辻褄合わせをさせる神、
一切の記録がなくただ信仰だけが残る神――。
理解もできず根本的な対処もできない、
だが確かに日本各地で起こり、
人々の平穏を脅かす現象は「領怪神犯」と呼ばれている。
公的機関として密かに存在する「領怪神犯特別調査課」に所属する片岸は、
部下である女性調査員の宮木と、
各地から報告される「領怪神犯」の調査と対処に当たっている。
奇怪で危険な様々な神による超常現象、
時にはそれらの神を崇める危険な人間たちとも対峙しながら、
片岸は調査を進めていく中で失踪した妻の痕跡を見つけ出そうとする。
だがそれは、
「領怪神犯」のある恐ろしい真実に触れることにもつながっていき――?
領怪神犯1-1 ひとつずつ降りてくる神

「あぁ、あの納屋ね。すごいことになっていたでしょう」
そこにあるのはよくある田舎の光景ではなかった。
台風が通ったようなひしゃげた納屋、
その上に鎮座してるかのようにあったのは、
巨大な球体。
目、だった。
領怪神犯1-2 ひと喰った神

「悪いことすると山の「ひと喰った神」に連れていかれるよ」
祖母になんで「喰った」なのか聞いてみた。
「昔は願い事を聞く代わりに叶えた後ひとを喰う怖い神様だったけど
あるとき巫女さんが自分を捧げて、これを最期に村の人を食べないでくださって
お願いしたの。それからはいい神様になったのよ」
本当に嘘ばっかりの祖母さんだった。
領怪神犯1-3 不老不死の夢の神

人魚伝説のあるとある漁村
おとぎ話のようなその話は今も加護があるらしい。
どんな酷い死に方をしても、幸せそうに笑って亡くなるという。
領怪神犯1-4 水底の匣の中の神

ダムの底に沈んだ村は、棺桶を作っていた。
それだけで生計を立てることはできず、寄木細工の箱も観光向けに作っていた。
いつしかその箱の中から声が聞こえるという話が出てきた。
その声とはもう亡くなってしまった友人や親のものだという。
領怪神犯1-5 辻褄合わせの神

お囃子が聞こえてきたら祭りの合図。
おみこしが通れるように道をあけて提灯を吊るすんです。
いつ来てもいいように、準備をするんです。
そんな町にはひとつ言い伝えがあった。
領怪神犯1-6 こどくな神

故郷の村は近親相姦が繰り返し行われていたらしい。
幼少期法事かなにかで集まった際に庭に子どもだけ集められ、
あの鳥を殺せと重い包丁を手渡された。
領怪神犯1-7 知られずの神

とある場所についてまとめられた年表
それは「いつ」「だれが」失踪したのかが記されている
と同時にある新興宗教の動きも書かれていた。
領怪神犯1-8 そこに在わす神
「そういえば、お前…前の部署ってどこだ?」
「宮内庁、ですかね」
【2巻あらすじ】
この世には、理解不能な神々が引き起こす超常現象がある。
善悪では測れず、だが確かに人々の安寧を脅かすそれは
「領怪神犯」と呼ばれている。この人智を超えた危険な現象を人知れず調査し、
対処にあたる「領怪神犯特別調査課」は、役所内に秘かに存在していた。
その全貌を誰も知らない、謎めいた組織――。
同課の片岸と部下の宮木は、
各地の現象を追う中で領怪神犯のある真実と、
組織が隠し持つ、世界の秘密の一端に触れた。+ + +
それより時は遡り、20年前。
霊感商法詐欺を働いていた青年、烏有定人(うゆう・さだひと)は警察に捕まるが、
連れて来られた先で始まったのは普通の取り調べではなかった。そこにいたのは、元殺人課の刑事・切間(きるま)と、
民俗学の准教授・凌子(りょうこ)。
烏有は「見える」力を持つために目を付けられ、
警察の管轄内にある「領怪神犯対策本部」で
2人と共に、
日本各地の村々で起こる異常な現象に立ち向かうことになるが……。「対策本部」が「特別調査課」に至るまでに、一体何があったのか?
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最終章の驚愕、再び。そして胸を刺す衝撃のラストが待ち受ける。
領怪神犯2-1 間 章
異常なし、か…
ない訳ねえだろうよ
領怪神犯2-2 蓋を押す神

行きゃあわかるよ
あの山のてっぺんの蓋のあるところは森に囲まれてよく見えないが、
近くまでいくと木とは違うぶっとい棒みたいなもんがあるはずだ
何だと思う?
腕だよ
領怪神犯2-3 火中の神

その村には大きな神社があった
そしてその周囲には小さな祠やお社が沢山あった
小さな恐ろしいこわいものをしょうがなく神として祀っていたのだ
その村は夜でもずっと太陽がある
ぼんやりとした炎のような光
領怪神犯2-4 すずなりの神

何度橋をかけても流されてしまう場所があった
人々は話し合い人柱をたてることにした
流れ者の親子の娘
橋のたもとに穴を掘りそこに娘は埋められました
生きてる間鈴をならす。
音が途絶えたら神の元に向かった印と思って橋をかけて
そして7日7晩鳴った音が止み、
それを悲しんだ両親は川に飛び込んでしまった
人々はその親子に感謝し立派な橋を建てた
時折鈴の音が聞こえるようになった
領怪神犯2-5 くわすの神

俺の故郷は養蚕をしていた
周囲がどんどん辞めても親父は誇りだと辞めなかった
ある年ひどい冷害がおき桑の葉が全部ダメになった
そんな中母が流産をしてしまいおかしくなった。
弟の亡き骸を絹につつみお蚕さまにみせてるのだ
兄ちゃんと一緒にあなたもお蚕さまの世話をするのよ
それから夜になると妙な音がお蚕さまのいる納屋からするようになった
領怪神犯2-6 俤の神

その村にはでかい沼があり、吊り橋がある
その沼のほとりに兄弟が住んでいて、その橋を作っている最中弟が沼で亡くなってしまう
兄は弟を思い橋を完成させ、以後弟は守り神となり、死者との世界を繋げるようにした
その橋がこれなんだが渡るかい?
領怪神犯2-7 呼び潮の神

俺の村は最悪だった。
その血を引く俺も、いつか最悪になるだろう
それが恐ろしかった
祭りの日、苛むような鈴の音と、夕方の浜辺で血の海のように輝く波をまだ覚えている
領怪神犯2-8 そこに在わす神

その日烏有と木間、令泉は確かにそこにいた。
名字が存在しない
結婚したはずなのに旧姓のままの戸籍
それらを調べたおんな
一枚の名刺と写真が存在を確かにしていた。
読んでみて

web小説サイト「カクヨム」で連載されていた作品を加筆修正し、単行本化したものです。

1巻は片岸&宮木コンビ
2巻は烏有がメインで話が展開されています。
理解もできず根本的な対処もできない、
だが確かに日本各地で起こり、
人々の平穏を脅かす現象は「領怪神犯」と呼ばれている。
それらを調査する特別調査科の彼らの物語です。
お薦めなのは、1巻2巻と続けて読むこと!
現在の物語である1巻
過去の物語である2巻
1巻で時折感じる違和感が
2巻の物語の進みと共に
そうだったのか…!!と
なっていきます
最初は「領怪神犯」の超常現象に目が奪われがちですが、
キャラクターの人間関係もまた興味深い作品です。
大塚英志の北信奇譚や木島日記など
民俗学ホラーが好きな方にはとくにお薦めです
とブログを書いていたら
実は全4巻で
最終巻は最近発売されたことに気づきました!
なので今回は1.2巻の感想となります。
3.4巻はまた次回!
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