フタバスズキリュウ もうひとつの物語

ノンフィクション

フタバスズキリュウとは
福島県いわき市にて1968年にはじめて日本で見つかったクビナガリュウの化石です。

発掘されてから38年を経てた2006年(平成18年)5月に
国立科学博物館の佐藤たまき特別研究員(当時)と
真鍋真主任研究員、
群馬県立自然史博物館の長谷川善和館長(当時)ら
3人の研究チームによってようやく新属新種の首長竜と判明し、
「Futabasaurus suzukii (フタバサウルス・スズキイ)」という学名で
正式に記載されました。


その佐藤たまきさんがフタバスズキリュウについて書かれた本です。
とはいえ、ほとんどが著者の半生、
そしてフタバスズキリュウの研究に関わるまでが本書のほとんどを占めています。
なので本書はフタバスズキリュウの本というよりも
「古生物学者になるにはどうしたらいいか」が書かれているもの、
と認識したほうがいいかもしれません。
一般的に大学に入学するまでは予測できますが、
「じゃあそのあとどうするの?」が書いてあります。
ですがその時々によって事情も変化しますので、一例として読んだほうが良いかもしれません。
また大学院までいったあと、簡単に
「准教授」、一般的に「助教授」になれるイメージですが
実際はそう簡単には研究職に就くことは難しいという現実も書かれています。
私もこの本を読むまでは
「研究職についてる人はほとんどが大学入学と同時に研究したいテーマが決まっていて、それに向かって活動して職につく」と思い込んでいましたが
そう簡単な話ではないこともわかりました。
読み進めるごとに、思っていた研究職のイメージがバンバン壊される
現実的な内容とも言えます。
その困難を乗り越えて、実に様々な研究が行われているのですね。
古生物だけでなく、研究職に興味がある方にも役立つ一冊と思います。

フタバスズキリュウ もうひとつの物語

著者:佐藤 たまき
出版社:ブックマン社
発売日:2018/8/3

【本日のサムネイル】
フタバスズキリュウのイラスト
1968年に高校生の鈴木さんによって化石が発見された首長竜、
フタバスズキリュウのイラストです。
日本の周辺の海に生息していました。

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