【生きるために食べる!!】漂流者は何を食べていたか

ノンフィクション

タイトルの通り
「漂流者が何をたべていたのか」
過去に出版された漂流系の本からそれを調べたものです。

どんなお話なの?

「漂流とは
難船などによって、操縦不能の船上で、
または浮遊物につかまり、海上をあてもなくさまようこと。
漂流によって陸上に達した場合には漂着であるが、
そこが人間社会と隔絶した孤島などのときには、これも漂流に入れる場合もある。」

コトバンク より

引用のとおり、
船が遭難しボートなどで海上を漂ったりしたことを記したノンフィクションが多数あります。
そんな彼らの食事事情が書かれています。

・夫婦や家族はどう生き延びたか

「117日間の漂流」「荒海からの生還」について書かれています。
海でかつ似たルートで漂流していたという二組。
最初はなんとか持ち出したものを食べていましたが
アオウミガメや魚などを捕獲して食しています。

・大海原の小さなレストラン

奇跡の生還〈ローズ・ノエル〉号 119日間の漂流」について書かれています。
この船は乗組員の他にコックが搭乗していました。
転覆したトリマラン船に乗って漂流しますが、
このコックが、残り少ない食料を美味しいものにすべく大奮闘します。
魚だけでなく、海鳥も捕獲して食べています。

・北の果てで銀色の馬を見た

「日本人漂流記」について書かれています。
江戸時代に多く漂流した千石船がどうなったかの一例です。
1782年に「新昌丸」が駿河湾沖で遭難、漂流したその先が
アリューシャン列島のアムチトカ島でした…
過去に著者がその足取りを追った冒険についても書かれています。

・北をめぐるでっかい漂流

「パパーニンの北極漂流日記 氷盤上の生活」について
実際の現場に赴いて検証しています。
また「北氷流漂流記」についても書かれています。
この記録のすごいところは
北極で出会ったシロクマを狩り、食してるというダイナミックさ。
(著者はそこまで行っていません)
それだけ環境が過酷ということなのですがいやはやびっくりです。

・考える漂流イカダ

「太平洋漂流76日間」について書かれています。
これまでの漂流記は家族や乗組員など
複数人でのものですが、今回はひとりです。
そして著者も書いていますが
漂流三日目になると亡くなる方がおおいそうです。
精神的限界をこの漂流者は私たちが思う以上に
創意工夫で乗り切っています。

・アザラシ、シロクマで生き延びた

「フラム号漂流記」
「凍える海 極寒を24カ月生き抜いた男たち」
についてかかれています。
「フラム号」はアムンゼンとスコットよりも前に極点を目指しましたが
漂流してしまったのです。
アザラシ、ペンギン、シロクマと
食糧が尽きそうになると出てくる野生動物を狩っていたそうです。

・コン・ティキ号黄金海路を行く

「実験漂流記」について書かれています。
漂流し、飲料水にどれくらい海水を混ぜて飲み増すことが出来るかなど
実際実験をした記録です。
「コロンブスそっくりそのまま航海記」
「ブレンダン航海記」
「バルサ号の冒険 筏による史上最長の航海」
など同じように挑戦漂流をされている方々がいらっしゃるようです。

・十六中年漂流記

「無人島に生きる十六人」について書かれています。
著者は当時絶版になっていたこの本を苦労して入手したのち
数か月後に文庫版として復活となった、というエピソードを書いています。
その文庫本がべらぼうに面白く
「こんなたのしい漂流もあるのか!」と思ったものです。
おススメですよ!!!

・竹のイカダで実験漂流

「竹筏ヤム号漂流記 ルーツをさぐって2300キロ」
について書かれています。
これは実験漂流なのですが
その目的のひとつが「日本人のルーツをたどる」こと。
古代に黒潮に乗って日本までやってきた東南の人々は
竹筏に乗ってやってきたのだろう、というもの。
日本人も乗組員でいますよ!

よんでみて

まずこんなに漂流記が出版されているということに驚愕しました。
いちジャンルとして存在してるようで、ただただびっくりです。
でもコロンブスなど命がけで世界一周した時代もありますし
日本も海に囲まれているのですから
ある意味当たり前といえばそうかもしれません。

船が難破しました。
とりあえず避難用ボートに乗りました。
浮かんでたあれこれ確保しました。
じゃあ、これからどうする?
おなかすいた…
「遭難時」に生きるための「食事」にクローズアップした、
という著者のアイデア、気づきがすごい。
そして選んだ書物に書かれた
「人が極限で生きる時こそ食事は大事」
というある意味当たり前ではありますが
日々忙しいことを言い訳におざなりにされがちなことに
気づかされます。
筏やヨットの周囲に魚が多く寄ってくること
海鳥がぶつかって床に落ちることもあること
ペンギンが簡単に捕まえられたり
シロクマはおいしいこと
食材が確保されると、いかにしてそれをおいしくいただくか
保存するかにクローズし
そのおかげで大半の方々は生還されています。
ただ食べるのではなく「おいしく食べる」
加工する、ということは人間だけができることです。
もっとごはん楽しみたいですね。

【あらすじ】
荒海に突然、投げ出されたら、
あなたはどうやって生きのびるか?
残された食べ物はわずか。
飲み水もない。
彼らはどうやって死から逃れられたのか。
ウミガメ、海鳥、シロクマ、ペンギン…初めて生で口にするものばかり。
運と知恵、最後まであきらめない意志が命をつないだ。
『117日間死の漂流』『荒海からの生還』『日本人漂流記』ほか、
大の「漂流記マニア」が選んだ壮絶なサバイバル記の数々。

HonyaClub より

漂流者は何を食べていたか

著者:椎名誠
出版社:新潮社
発売日:2021/7/19

★今回ご紹介した本はこちらです★

無人島に生きる十六人

★これも面白いので是非!!!★


【本日のサムネイル】
いかだを漕ぐ遭難者のイラスト
ボロボロの服で荒波を乗り越えている、筏を漕いでいる遭難者のイラストです。

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