【人類初!サイボーグとして生きる】NEO HUMAN ネオ・ヒューマン: 究極の自由を得る未来

ノンフィクション

著者のピーター・スコット・モーガン
難病になったので
その身体を機械化していきることにしました、
というのが本書です。

難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)について

ある日右足が思うように動かない。
この気づきから著者は徐々に足が動かなくなります。
いろいろな病院、検査を受け続け出た結果が
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」でした。

ALSは、運動神経系が少しずつ老化し使いにくくなっていく病気です。
運動神経系の障害の程度や進行速度は個々の患者さんでみな異なっています。
知覚神経系は障害されないと言われています。
ALS患者さんは、長い間、
発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気とされてきました。
しかし、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、
長期に療養することが可能となってきています。(略)
また、ALSは国の特定疾患に指定されており、
公費による医療費の自己負担分の一部や全額の助成を受けることが可能となっています。
さらに、ALSの原因追及の調査研究により良い療養ケアの推進が積極的に行われています。

一般社団法人日本ALS協会HPより

どんどん身体がかたまってしまい
最終的に身体は全く動かせず寝たきりになってしまう
でも脳は元気なので自分に閉じ込められるような病気です。
(著作の中に「自分の中に閉じ込められる」とあってなるほど!と思いました)

どんな内容なの?

足の違和感に気づいた大人になってからのパート、
学生時代からのパートと
交互に続きます。
著者の半自伝的著作となっています。

PART1 科学は魔法に通じる

15歳の時学校で「同性愛者」と噂になり、生徒会長になるはずだったが却下され
好きだったフェンシング、演劇も禁止される。
このことでコンピューターの道へ向かう決心となる。

一方大人の著者は右足の違和感から二週間後に病院へと向かう。
MRIなどの検査や、あるとあらゆるマニアックな血液検査も「異常なし」
でもどんどん足は動かなくなっていく。
パートナーのフランシスがフォローしてくれるようになり
杖を使うようになる。
違和感から一年後、「筋萎縮性側索硬化症」と病名がついた。
死にたくない。
フランシスにも介護負担で愛想つかされたくない。
そこで著者はある方法を思いつく。

PART2 ルールをぶっ壊す

自分の身体を機械化する。
まだ残存能力がある身体に手術で手をくわえることに
医療関係者に猛反対された著者は、知り合いたちにメールをおくる。
賛同者を募ってアイデアや実現する協力者をさがすためだった。
フランシスにはわかってもらうために
これからの方法をじっくりと話しあった。
自宅をリフォームし、エレベータをつけ、大きな車いすでも移動できるようにした。
腸の手術をし、人工肛門にすることで下の世話のわずらわしさから解放された。
大学と協力し、さらにハイスペックな車椅子も開発してもらった。
アイデアは形になっていく。
フランシスにこれからの「ピーター2.0」を丁寧に話す。

一方過去、1976年のちにパートナーとなるフランシスと出会う。
熱烈に惹かれあい、家族の猛反対にあうが
二人はロンドンの屋根裏部屋のような部屋で同棲をはじめる。
経営コンサルティングの会社に就職した著者は
どんどん頭角を現し、最終的に会社から独立を果たす。

PART3 愛はすべてに勝つ

イギリスで初の同性愛カップルとして結婚をした著者とフランシス。
独立もし、二人で仲良くくらしていくはずだった。

ALSとなってしまった著者は
チームとしてのチャリティ財団をつくり
今後自分を支えていく人たちを探す。
そしてメンバーは集まり、咽頭摘出の手術を受ける。
最期の言葉はフランシスへの「愛してる」

読んでみて

人類初めての自分の身体をサイボーグ化をしている。
しかもALSという病気の人が。
それのみの前情報で読み始めたので
現在と過去が交互に書かれているスタイルに面くらいました。
これいるの???
いりました。めちゃくちゃいりました。
フランシスとの出会いとそれから。
これがあっての人生の彩りの素晴らしさ。
違和感からはじまって病気となっても
著者ははやくに「サイボーグ化すれば一緒にいれるよ!」
これをフランシスはすぐに受け入れるのは難しかったでしょう。
ですが二人はいつも「ルールをぶっ壊す!」精神でいたのですから
病気さえも、自らの身体さえもぶっ壊す著者をうけいれたのでしょう。
常に前向きで可能性にかけて動いていますが
書かれていない部分で
体調がすぐれなかったり喧嘩したりもあったとおもいます。
それでも寄り添い続けるフランシスの姿勢は素晴らしいです。
寝たきりになったら、車いす生活になったら
リフォーム、リハビリ、残存能力の向上、
それとサイボーグ化
が選択肢にあがることがあたりまえになる未来がすぐそこにある。
かもしれませんではなく、
本当に可能なんだなと思いました。
老いや病気の向こう側にも希望があるのは素晴らしいですね。

【あらすじ】

いまとは違う自分になりたいと闘うすべての人へ。
人類初「AIと融合」しサイボーグとして生きる科学者の自伝。

1 科学は魔法に通じる(ささいな異変;運命の日;暗転する世界 ほか)
2 ルールをぶっ壊す(主導権を握る;愛する人;分かれ道 ほか)
3 愛はすべてに勝つ(最強の2人;“マットな瞬間”;“超マットな瞬間” ほか)

HonyaClub より

Bitly

著者:ピーター・スコット・モーガン
翻訳:藤田美菜子
出版社:東洋経済新報社
発売日:2021/6/25


【本日のサムネイル】
サイボーグのイラスト
身体の一部がロボットのように機械化された人間のイラストです。

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