義肢装具の専門学校に通う、男女三人の物語です。
お仕事系の青春小説です。
義肢装具ってなあに?
義肢装具士は、
Wikipediaより
義肢装具士法に基づく国家資格であり、
リハビリテーションチームを構成する医療従事者の一員である。
ただし、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)など
他のリハビリテーションスタッフと異なり、
一般に製作会社に勤務する社員である。
また職名から義肢と装具のイメージが強いが、
車椅子や杖、座位保持装置、自助具などの福祉用具を扱う場合もある。
ちなみに国家資格となります。
どんな内容なの?
社会人経験がある二階堂さえ子は27歳。
義肢装具の専門学校のクラスメイトは19、20歳で浮いた存在。
その彼女と同じ班の永井真澄と富樫博文も、ちょっと浮いている存在。
でもその志は三人とも同じ、義肢装具になること。
それぞれの理由は異なりますが、夢に向かって切磋琢磨しています。
ここまではありきたりな青春群像小説ですが
扱っているテーマが「義肢装具」
つまり腕や足を生まれつき、もしくは事故などでなくした人たちが登場します。
その患者さんがなぜ身体の一部を失ってしまったのか
それとどう向き合っているのか。
また、その義肢はどのような工程で作られるのか。
「ほんとうの福祉とはなにか?」
なにが患者さんや障がい者にとっていい環境なのかも含めて
じつにさまざまなテーマが書かれています。
読んでみて
作中に
「3Dプリンターを用いて義手を作った」
とあり
調べてみたら同じことが実際できるようでした。
“安価でかっこいい義手”を開発し、制作データを無償公開/開発者 近藤玄大
「義足だって知らなかった!」
作中に数回登場するセリフです。
私たちが気づいていないだけで、
実際義足や義手を用いての生活をされている方々がいらっしゃいます。
そういう方は「かわいそう」なのでしょうか?
バリアフリーとはいったい?
自分ができることってなんだろう?
読んだ後にいろいろ考えてしまう本でした。
でも27歳で義肢装具の世界に飛び込む主人公が
いちばんすごいですよねえ…!
【あらすじ】
HonyaClub より
「えらいね」「人助けだね」って、違うよ。
私たちは六角レンチで神様と勝負するんだ!
25歳で会社を辞め、義肢装具士の専門学校に飛び込んださえ子は、
カスタムメイドの義足を作る実習に苦戦し絶賛ヘコみ中。
年下の仲間達に助けられ、
芸者やカメラマン、人力車夫など
多彩な義肢ユーザーと出会い、
垣間見えた自分なりの「バリアフリー」とは?
伸びしろ無限大の人生再スタートを応援する大人のお仕事小説誕生!
著者:山本幸久
出版社:新潮社
発売日: 2020/12/16
【本日のサムネイル】
義肢装具士のイラスト(女性)
女性の義肢装具士が患者さんに装着する義足を持っているイラストです。
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