【ある意味作者も被害者かも】冷血

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文芸

【初回公開:2013/04/15 (Mon) 15:14】

冷血
トルーマン カポーティ (著), 佐々田 雅子 (翻訳)

文庫: 623ページ
出版社: 新潮社 (2006/6/28)
言語 日本語
ISBN-10: 4102095063
ISBN-13: 978-4102095065
発売日: 2006/6/28
商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm

内容紹介
カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。
被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。
このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。
そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。
捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル――。
様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。
(Amazonより

トールマン・カポーティという名前はよしもとばなな氏のエッセイ(初期)で知りました。
実は海外作品が極度に苦手です。
とある作家以外のものはほぼ受け付けませんでしたが
近年の個人的SFブームでやや読めるようになったのでチャレンジしました。

直接読んでみようと思ったのは村上春樹インタビュー集を読んで。
(夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011)
氏の作品の中に「アンダーグラウンド」という本があります。
地下鉄サリン事件に関するもので、それについての記述にカポーティの名前がよく出ていたのです。

すいません。
さっぱり感情移入が出来ませんでした。
とりあえず犯人ズがどういう人間か、
犯行現場の町に住む人たち、および被害者に関わりのあった人たち
また犯人ズの親親族まで
どんな人たちが関わったのかはよくわかりました。
これは5年で書きあげたのはものすごいですが。
うーん。
リアルではあるのですが、どうもピンとこなかったのが正直なところです。
(個人的に新潮45の犯罪ルポタージュが好きなのですが
国内の事件と外国の事件のバックグラウンド的なものの違いがアレだっただけかも)
ただ、カポーティはこれを書いたあとなにも作品を書かないまま亡くなってます。
それを考えると、これを書きあげた執念が読み継がれゆく人がいるという意味なのかもしれません。

冷血 (新潮文庫)


著者:トルーマン カポーティ (著), 佐々田 雅子 (翻訳)
出版社:新潮社

【2021/02/11 追記】
「ノンフィクションノベル」というジャンルに値するこの本は
日本であれば「熊嵐」で有名な吉村昭などが該当するかと思います。
ただ、カポーティは吉村昭のようなわかりやすさは皆無で
ノンフィクション、殺人事件を扱っているのでるポタージュ寄りにかかれており
ただただ灰色の鬱屈した空気が充満した作品となっております。
正直読むのしんどかった思い出が前面に出てきてます。
訳者の力量か、癖ある訳なのでなかなか入り込みにくい部分もあります。
ただ有名な「古典」ではありますから、一読しておいて損はないと思いますよ。

【本日のサムネイル】
血液の雫のイラスト
血のような赤い液体のしずくのイラストです。


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