三陸海岸大津波

文芸

【初回公開:2015/06/09 (Tue) 19:01】

三陸海岸大津波
吉村 昭 (著)

登録情報

文庫: 191ページ
出版社: 文藝春秋 (2004/3/12)
ISBN-10: 4167169401
ISBN-13: 978-4167169404
発売日: 2004/3/12
商品パッケージの寸法: 15 x 10.4 x 1 cm

内容(「BOOK」データベースより)

明治29年、昭和8年、そして昭和35年。
青森・岩手・宮城の三県にわたる三陸沿岸は三たび大津波に襲われ、人々に悲劇をもたらした。
大津波はどのようにやってきたか、生死を分けたのは何だったのか―
前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに再現した震撼の書。

(Amazonより

これはビッグデータそのものといいますか、
いち個人がこんなにも三陸海岸に起きた過去の津波について
データを収集して本にしていたということだけでも十分すごいです。
明治29年の津波からはじまって、昭和8年そして昭和35年のチリ大地震による津波被害がまとめられています。
著者特有の臨場感あふれる話の部分もありますが
日本の津波被害の歴史についてもざっくりと書かれています。
三陸に地震が、そして津波が起きた。
その予兆や出来事
たとえばマグロが例年以上に大豊漁だったこと、
今まで枯れたことのない井戸が枯れたり、水がにごったりしていたこと。
当日奇怪な発光が多数各方面で確認されていたことなど。
またその時どきの各所の被害状況、被害者数や当時残されてしまった人や子供の作文や聞き取り書まで。
昔の人は30数年毎に繰り返されている地震、津波に備えてあらゆる手段を使ってこれを伝えようとしていたことがわかります。
あとがきにありました田老町の現在を下世話を承知で調べてみました。
文庫化された当時ここは津波に備え巨大な防波堤があったと記されていたのです。
東日本大震災の際どうだったのだろうと思ったのです。

「昭和三陸津波70周年に当たる2003年(平成15年)3月、町は「災禍を繰り返さない」と誓い、「津波防災の町」を宣言して記念の石碑を設置した。同地区出身の田畑ヨシによる「津波てんでんこ」の紙芝居活動をはじめとする児童への防災教育や、年一回の避難訓練にも力を入れ「防災の町」として全国的にも有名であった。その後、2005年に田老町は宮古市に編入され、消滅した。」
Wikipediaより

東日本大震災時の津波はこの防波堤の高さの倍あったらしく
やるせない気持ちです。
それでも、ここに住む故郷をすてない気持ちが
これからの防災につながるのだと昔も今も思うからこそ
こういった本や資料が記されるのだと思います。

タイトル:三陸海岸大津波
著者:吉村昭
出版社: 文藝春秋
発売日:2004/3/12

三陸海岸大津波 (文春文庫)

【2021/03/10 追記】

著者のすごいのはまだノンフィクションやポタージュという言葉がなかった時代に
地元の民間伝承などを丁寧に紐解き、取材を重ねて
まるでそこに本当にいるかのような描写を書き上げたことだと思っています。
熊嵐が有名ですが、この本をこの時期だからこそ推します。
過去三度にわたって起きた自然災害による壊滅的被害
それらが起きる前に起こっていた変化や
災害当時の人々の行動、救助や復興の様子など
並々ならぬ筆力で書き上げています。
10年前、災害が起きてから「ここに津波がきた石碑が」といった報道もありましたが
まさにその石碑を建てた人々の無念や奮闘です。

【本日のサムネイル】

津波避難標識のマーク
津波警報が発表された時に、避難する場所を
わかりやすくするための津波避難標識のマークです。
(みんな覚えていってね!)

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