【どこかに行きたい時に】旅ドロップ

文芸

市松模様のカラフルなちいさな本で
旅にまつわるエッセイが36編収録されています。
まずこの本を読む条件があります。
著者の他の作品やエッセイを読んだことがある。
これだけです。
なぜならば、初めての人が読んだらびっくりする、からです。
著者特有の、エキセントリックといいますか
独特の思考や行動は、おなじみの方にはとてもここちよいものです。
その当たり前のように書かれた文章に、
久しぶりに著者の本を手に取ったのですが
相変わらずだなと微笑んでしまいました。
こんなにも旅が似合わないのに、旅が好き、
しかも一人旅までしてしまうことに毎度ながら驚いてしまいます。
年若いお嬢さん、ではないことは存じ上げておりますが
この独特の雰囲気からどうしても「お嬢さん」というイメージがあるのです。
(なのに各作品で時折みせる鋭さのギャップがすごいのですが、それはまた別のおはなし)
どこに行っても楽しくて、
なのにいつも家に帰りたくてたまらない
迷子ではないのに、
もう大人なのにちいさな小さな子供のような気持ちが
どのエッセイからもあふれています。
こういう本はほんとうに珍しいものです。
最近めっきりご無沙汰していたな、という方こそ
あまりの変わらなさを確認してみてはいかがでしょうか。

【あらすじ】

旅をした場所と空気、食べ物、そして出会った人々や動物たち―
このエッセー集は、ちいさな物語のようだ。
時も場所も超えて、懐かしい思い出に、はるかな世界に連れ出してくれる。
エッセー37篇のほか巻頭に詩を三篇収録。

このエッセー集は、2016年から2019年にかけて
JR九州の車内誌「Please プリーズ」に36回連載されたエッセーに、
同じ〈旅〉をテーマにして書かれた長めのエッセー「トーマス・クックとドモドッソラ」、
さらに詩を三篇(夜の新幹線はさびしい/軽く/ウィンダ)収録したもの。
エッセーの名手による小さな宝物のような一冊。

旅ドロップ

著者:江國香織
出版社:小学館
発売日:2019/7/1


【本日のサムネイル】
電車が来た駅のイラスト(背景素材)
駅のホームに到着した電車のドアが閉じた状態とドアが開いた状態のイラストです。

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