【私とは誰か?】私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

ノンフィクション

どんな内容なの

「いやいや、私の脳は死んでるんです。
精神は生きてますが、脳はもう生きてないんですよ」

「自分は死んでいる」と思いこむコタール症候群、
自分の身体の一部を切断したくてたまらなくなる身体完全同一性障害(BIID)、
何ごとにも感情がわかず現実感を持てない離人症――

自己感覚が損なわれる珍しい精神疾患を抱える患者やその家族をはじめとし、
ドッペルゲンガーの経験者、
自閉症スペクトラム障害の当事者などへのインタビュー、
それらを治療・研究する精神科医や神経科学者への取材をもとに、
不思議な病や現象の実相を描き出す。
著者はときには違法な下肢切断手術の現場に同行したり、
錯覚を起こす実験に参加してみずから体外離脱を体験しようと試みたりするなど、
ユニークなアプローチで〈自己意識〉という難問に迫る。

〈私〉とは、いったい誰なのか? 
神経科学の視点から〈自己〉の正体を探るポピュラーサイエンス読み物。

第1章 生きているのに、死んでいる―「自分は存在しない」と主張する人びと

コタール症候群「私の脳は死んでいますが、精神は生きています」

コタール症候群、またはコタール妄想は、
自分がすでに死亡している、存在しない、腐敗している、
または血液や内臓を失っているという妄想的信念を抱く精神障害である

Wikipediaより

第2章 私のストーリーが消えていく―ほどける記憶、人格、ナラティブ 

認知症「こんにちは、かしら。もうわからなくて」

認知症は認知障害の一種であり、ヒトの脳の後天的な器質的障害により、
いったん正常に発達した知能・知性が不可逆的に低下する状態である。
初期段階は周囲にも、老化による物忘れと混同されやすいが、
どれかが並行して起きる。
人によって症状は様々であり、
発症前より怒りっぽくなったり、不安な性格になったり、
異常な行動が見られるようになる。

Wikipediaより

第3章 自分の足がいらない男―全身や身体各部の所有感覚は現実と結びついているのか? 

身体完全同一性障害(BIID)「この足は断じて自分の足ではない」

身体完全同一性障害、または身体完全違和とは、
身体障害を負うことへの欲求、
それに伴う体調不良など有害な結果をもたらす状態である。

Wikipediaより

第4章 お願い、私はここにいると言って―自分の行動が自分のものに思えないとき

 統合失調症「自分が崩れて、溶けていくような気がする」

統合失調症は、
自分が他者からコントロールされていると考え、
思考、知覚、感情、言語、自己の感覚、
および行動における他者との歪みによって特徴付けられる症状を持つ、
精神障害の一つである。
青年期以降に後天的に発症し、
服薬などの治療をしないと症状は徐々に悪化または再発していく特徴がある。

Wikipediaより

第5章 まるで夢のような私―自己の構築に果たす情動の役割 

離人症「悪い夢がずっと続いているようだった」

離人症とは、
自分が自分の心や体から離れていったり、
また自分が自身の観察者になるような状態を感じること。
罹患者は自分が変化し、世界があいまいになり、現実感を喪失し、
その重きや実感を失ったと感じる。

Wikipediaより

第6章 自己が踏みだす小さな一歩―自己の発達について自閉症が教えてくれること 

自閉症スペクトラム障害「抱きしめられるのは、檻に閉じこめられる感じがした」

自閉症スペクトラム障害、あるいは自閉スペクトラム症とは、
『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(DSM-5)における、
神経発達症群に分類されるひとつの診断名で、
コミュニケーションや言語に関する症状があり、
常同行動を示すといった様々な状態を
連続体(スペクトラム)として包含する診断名である。

Wikipediaより

第7章 自分に寄りそうとき―体外離脱、ドッペルゲンガー、ミニマル・セルフ 

自己像幻視「もうひとりのぼくがいたんだ」

ドッペルゲンガーとは、
自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種で、
「自己像幻視」とも呼ばれる現象である。
同じ人物が同時に別の場所(複数の場合もある)に姿を現す現象を指すこともある。

Wikipediaより

第8章 いまここにいる、誰でもない私―恍惚てんかんと無限の自己 

恍惚てんかん「自分自身および宇宙全体と完璧に調和しているのだ」

てんかんとは、
脳内の細胞に発生する異常な神経活動(「てんかん放電」)によって
てんかん発作をきたす神経疾患、あるいは症状。

Wikipediaより

読んでみて

脳が作り出す歪んだ病が8つ紹介されています。
脳はわずか1300グラムですが
その部位によって働きが異なるのは周知の事実ですが
ちょっとの不具合で、こんなにも日常生活に影響が出る精神障害が発生してしまうのかと驚きです。
「自分が死んでいるはず」
「ずっと足があることに違和感しかないので切断してほしい」
「自分が誰なのかを疑ってしまう」
「外からずっと声が聞こえる」
「ずっと霧の中で生きているみたいだった」
「他人の気持ちが想像できない」
「もうひとりの自分がみえる」
「最高にうれしい」
各章の症例の例はどれもセンセーショナルで
興味本位で読んでしまいましたが
どれも珍しい病気ゆえに知られてないもので
このようにまとめてくれたことで知れたことはありがたいです。
医療的な記述もあるので少し難しめかもしれません。


私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

著者:アニル・アナンサスワーミー
翻訳:藤井留美
出版社:紀伊國屋書店
発売日:2018年2月26日


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【本日のサムネイル】
脳のイラスト
ピンク色でしわだらけの脳みそのイラストです。

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