ゆっくり、いそげ カフェからはじめる人を手段化しない経済

ノンフィクション

【初回公開:2020/08/28 (Fri) 09:23】

「ゆっくり、いそげ」
ラテン語で「フェスティナ・レンテ」
日本語でいうところの「急がば回れ」
急ぐなら、目の前のことをひとつひとつ丁寧にすすめること。

著者は自らが経営するカフェをそのように運営している。
その一部を文章化したのが本書です。
お金を(利益)効率的に稼ぐのではなく、
お金を払うのは人、受け取るのも人なのでその関係性を大切にすること。
利益だけを追求するなら、チェーン店でもいい。
それだけではないものを大事にしたい。
そういう気持ちがあふれている。
物語まで仰々しいものではない、ちょっとしたやり取りは
わかりにくく誤解もされることが多々ありそうではありますが
長い目で見たとき、物語よりも強固なものであると感じる。

また、年末限定のビーフシチュー。
これがお店で提供されたのは一人のアルバイトのアイデアというのもすごいですが
それを本人が作って、かつ本人がお店を卒業とともに提供も終了という
徹底したこだわりが真似できない部分だと思う。
それがあれば正直売り上げはよいとわかっていても
本人じゃないと意味がないと言い切る。
徹底してると見えるが、試行錯誤を続けてきたからこそ
「やめる」を決めれる。
お金だけではないものをどうやって売り込むか。
飽和した今だからこそ受け入れられるのかもしれない。

タイトル:ゆっくり、いそげ カフェからはじめる人を手段化しない経済
著者:影山知明
出版社:大和書房

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

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