オカルトコレクターの田中俊行氏のコレクションをまとめたものです。
どんな内容なの?
「祝祭の呪物展」などで有名なオカルトコレクターの田中俊行氏。
彼のコレクションである呪物がどのようにやってきたのか。
それらにまつわるエピソードがかかれています。
第1章 怨念が籠もった呪物
こちらの章では10つの呪物について書かれています。
水月/ネコの置物/サイコ絵/釘つき人形/貴船人形
カンリン/修験者の遺物/デスマスク/トゥピラク/ジーン・シモンズ人形
個人的に一番ショッキングだったのは釘つき人形。
天袋奥からでてきた人形二体。
それらの身体中に釘が打たれていました。
襟足や足の裏には呪いの対象となっていたであろう人の名前や
謎の文字が書かれています。
何が怖いかって、家族はこの人形の存在を全く知らずに住んでいたことです。
第2章 神と信仰の呪物
こちらの章では18つの呪物について書かれています。
オシラサマ/船玉/ヤヌス/エベ族の鍵つき呪物/トーゴの魂吸い人形/ニホンオオカミの牙
プラピッター/カパーラ/馬骨/ブードゥーの夫婦人形/白蔵王/ヘッドマスク
猿の頭蓋骨/キリスト像/座敷童人形/掛け仏/ソンゲ族の角呪物/クマントーン
信仰として大切にされていた呪物たちです。
特に興味深いのは馬骨です。
こちらは「祝祭の呪物展」でも実際拝見したのですが、ビジュアルがかっこいいのです。
インドネシアのスンバ島のウマ信仰で使われた馬の骨です。
ウマの骨自体に彫刻が彫られてます。
第3章 霊が憑依した呪物
こちらの章では14つの呪物について書かれています。
チャーミー/米軍ジッポー/木目込人形/マネキンの首
砂糖壺/ジュリちゃん/姫だるま/ポン/デジタル時計
幽霊土鈴/抱き人形/つる子ちゃん/アンティークドール/ビスクドール
霊が憑依した呪物とあるように、この章はとてもパンチが強いものが多いです。
その中でも比較的ソフトなものが、幽霊土鈴。
詳細は本書を読んでいただきたいのですが、
この土鈴というもの自体が「使用目的が特定できない」のに
現在は土産物や魔除け、縁起物として販売しているのが不思議だなと思いました。
第4章 数奇な運命の呪物
こちらの章では12つの呪物について書かれています。
鵺の手/オラクル/龍三/首狩り族の装飾スカル/UMA流木/鉄笛
プラクルアン/死者の書/生首台/不幸になる木面/謎の日本人形/マンダウ
この章一番の読みどころはマンダウだと思います。
海外からどのように呪物を買い付けるのか、
現地に行かない、行けない場合はどのようにしているのかがわかります。
このマンダウは刀なので、銃刀法違反で著者の手元にはないのですが
どうして手元にないのか、なにがおきたのか
読み物としても興味深いものです。
読んでみて
最初は「夜中にトイレにいけなくなっちゃうじゃん!」と思いましたが
最後までガッツで読み切りました。
人を呪う呪物だけでなく
その土地で大切にされたのであろう呪物
人間のさまざまな気持ちと行動をそれらはみてきたのだろうと思います。
どんどんと気持ちがぶつけられたものたちが呪物になったのでしょうか。
こわいものも多いですが、
いつの時代も人間の欲望があった証拠なのかもしれません。
呪物蒐集録
著者:田中俊行
出版社:竹書房
発売日:2022年12月16日
見るだけで障る圧倒的な呪力。
HonyaClub より
実在する呪物の因縁や怪奇現象そのすべてが語られる―
オカルトコレクター田中俊行が蒐集した曰くつきの呪物を一挙公開。
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