書評)花伽藍

文芸

【初回公開:2010/06/22 (Tue) 12:58】

目次
 鶴
 七夕
 花伽藍(はながらん)
 偽アマント
 燦雨(さんう)

ひと夏の狂おしく濃密な恋を描く「鶴」。
失恋したばかりの女性が経験する一夜の出来事「七夕」。
別れた亭主が転がり込んだことからはじまる再生の物語「花伽藍」。
別れの余韻が静かに漂う「偽アマント」。
未来への祈りにも似た「燦雨」。
結婚というルールを超えて結ばれた無垢で生々しい愛の歓びと痛み、
そして愛にあぶりだされた孤独を、鮮烈に彩り豊かに描いた珠玉の短編集。
(Amazonより)

中山可穂といえば「猫背の王子」が有名ですね。
去年狂おしく猫背の王子が読みたくなって、本棚漁っても見つからず買いに走りました。
この作品は初め新潮から単行本、文庫となり絶版、そして最近角川文庫から再文庫となったようです。
(ソース・Anazon)

中山可穂はレズビアンと公言してるだけに、その作中にもそれが色濃く出てるのが特徴です。

今回の短編集を読んで違和感を覚えたのは、タイトル作品でもある
「花伽藍」。
これだけ普通の元夫婦の話です。
かなり際立っています。
だからこそこれをタイトルにしたのかもしれません。
しかし、ラストシーンは一見陳腐でありながらも
心の再生を感じました。

(伽藍(がらん)は、僧侶が集まり修行する清浄な場所の意味であり、後には寺院または寺院の主要建物群を意味するようになった。
ウィキペディアより)

「鶴」は「猫背の王子」の主人公を思わせる激しさと、最後のはかなさ。
何処かでそうなるとわかっていたような気がしました。
だからこその行為とラストかな、と感じました。

「七夕」。これは…大人ならでは駆け引きと、他人の距離だなと。
昔憧れていたひとに似た感情を抱きました。
ちょっと寂しくもあるけれど、
そこで戻った彼女は偉いというか。
でもわかるというか。
まあ恋愛ならでは、でした。
でもリアル、だよなあ。

「偽アマント」。洒落にならん。
またかと思うだろうけど、似た事があったので。
でも好きになって自分を制御するのが難しい上に
相手を縛れないという考えは同じです。
きっと自分も同じことをしてしまう。
だれしもやってしまうのではないかな?
なんとなく雰囲気がいしいしんじ氏っぽいイメージ。

「燦雨」
これは上村松篁の「燦雨」http://bit.ly/9po1rF
という絵が関係します。
一言でいえば「壮絶」。絶対楽じゃなかったと思う。
ヘルパーで会ったお客様がリアルにこの設定になるだろうなあ。
私はここまで人を愛せないです。
結婚とか子供を産まないセックスとか帯や内容に乱舞してましたが
これが現状というか。
今の日本でここまでの人達がいるのかわかりませんが
究極だなーと。
いや、話だからねと言われるとそれまでですが。
ここまでずっと添い遂げるくらい本気になりたいです。 

タイトル:花伽藍

著者:中山可穂

出版社:KADOKAWA

【2020/10 /07 追記】

著者の本はなかなか激しい内容が多く

これを読んでくださった方に「読んだ後ぐったりしませんか?」と

いただいたことが印象深いです。

激しいものばかりではないと思いますが、一冊で印象つけてしまうのは勿体ないと思うので

できるだけ初見の作家さんの本は数冊読むようにしています。(文芸の場合です)

コメント

タイトルとURLをコピーしました