【住んでみた事故物件、その後】事故物件怪談 恐い間取り2

文芸

事故物件 怖い間取りの次巻となる「事故物件 怖い間取り2」です。

1のレビューはこちら

2、すごくよかった…

1の残念なところ全部潰していった感じがしました。

1と2の刊行の間は二年。

その間、東京、大阪、沖縄とMax4件同時に借りてるとかどんだけよ!!!

そしてやっぱりすべてが事故物件という。

探せば出てくるんですねえ。

今回の流れはこちら。

1.僕と事故物件

2.誰かの事故物件

3.事故物件の旅

僕と事故物件

タイトル通り著者が借りた事故物件にまつわる話なのですが、

過去に住んでた「事故物件のその後」についても5件書かれており「こういうの待ってたんだよ!!!」

個人的に1でぞわぞわした事故物件二件目のその後もあってうれしいです。

(うれしいが適切かどうかわかりませんが)

「事故物件その後」はどれも濃い内容で、ぜひとも1を読んでから読んでほしいです。

本書だけでも読めるのですが、絶対1読んでからの方がよいです。

3も刊行されるなら2で取り上げた事故物件のその後も入れてほしいです。

誰かの事故物件

1ではここが圧倒的に多くて「そうじゃない…」と思ってしまったところです。

今回一番こえええええええ…!!だったのが「怖い絵」

気づいたら部屋にあって捨てても友人がプレゼントに持ってきちゃった絵。

成り行きで飾っちゃった怖い絵は

鬱状態だと笑ってて、元気だと睨んでくる。

著者に貸すことになった時のエピソードの「ぜったいかえしてな!!!!」がもうダメ。

最後に写真載せちゃうとか反則すぎです。

単純にこわい。

そして「切れる電球」はもう件の奥さん絶対超能力者か生霊だと思う。

引っ越ししなよー!!と思ったらマンション購入されてて、まだ日本のどこかで起きてるかと思うとヒヤッとする。

集合住宅こわい、人間恐い。

(ざっくり内容:奥様井戸端会議のリーダーが不在の時ちょっと悪口言ったら電球が切れるようになった。

なんかおかしいな?と思い同じことをしてみたらまた切れた。

最終的に目の前で電球が割れて、マンションの部屋を飛び出したら件のリーダーさんが共用廊下にてこちらを睨んでいた)

事故物件の旅

新潮社クラブ!よく実名OKでたなあ!と感嘆したエピソード。

(あれこれ新潮社から出版だっけ?と思ったら二見書房で、さらによくOK出たな…と)

でも椅子が動いてたくらいでは驚きませんぞ…!!

鎌原観音堂は事故物件というよりも歴史的に気になりました。

日本にもポンペイのような噴火の火山灰で埋まってしまった場所があるなんて!

ジオパークとかにしないんじゃろうか?

ホテル七洋園はもうすごい。この章の集大成では?と思ったら、これ以降の物件がすべてすごい物語すぎて!

それでもここが印象ぶかいのが、ホテルのご主人が大広間でのエピソード。

「笑う門には福来る、ありがとうございます!」と自分のてのひらを手鏡のように見立ててさけんでいたという。

手鏡、というのは亡くなる直前の人がする行動とされており愛知県や岐阜県の風習だそうで

実際ご主人は一か月後に亡くなってます。

ひええええ。そんな風習あるんか!という驚きと、ものが散乱した廃墟同然の大広場でそれをされていたご主人はいったいなにをみていたのでしょうか。

怖いよりも不思議…

あとがきでかいてあったこと

今回あとがきに書いてあったことが印象的でした。

僕が平然と事故物件に住めるのは、向き合い方がわかってきたからです。(中略)

忌み嫌わず、過剰に悼まず。

人それぞれの死者との向き合い方があるとは思いますが、僕が事故物件に住み続けて辿り着いたのは今現状ココです。

「タニシさんあなたがやってることは福祉です」(中略)

その昔、おじいちゃんおばあちゃんの世代では誰もが家で最期を迎え、誰かの死が身近にありました。

誰かが死んだ場所が事故物件になるのなら、すべての家が忌み嫌われし事故物件であったはず。(中略)

自分の死を考えることは、自分の人生を考えることです。

どうやって死ぬのが自分にとって望ましいのか。

事故物件に住むということ。

人が家でしぬということ。

そう考えたら私の実家も事故物件だったし、それは昔では当たり前だったことなんですよね。

あとがきですごくしんみりしてしまいました。

自分はどこで死ぬんだろう。

ここで亡くなったら事故物件になってしまうんでしょうか。

恐いだけでなく、事故物件そのものの意味を考えてしまった読後でした。

タイトル:事故物件怪談 恐い間取り2
著者:松原タニシ
出版社:二見書房

事故物件怪談 恐い間取り : 2

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