サカナ・レッスン 美味しい日本で寿司に死す

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ノンフィクション

おさかな、楽しく食べていますか?のススメ

ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室

で世界中の女性に勇気を与えてくれた著者。
(ざっくり説明すると、料理が出来ないと思い込んでいる女性らを集めての料理教室を行い
彼女ら、そして読者までも自信をつけさせてくれたという良本)

その著者が来日し、築地市場を見学し、TV番組の取材を受け、
東京すしアカデミーにて魚料理の基礎を学んだ体験記です。
なんと前作の編集者からの提案だったそうです。
『「魚を恐れている」のは日本人だけでなく万国共通の悩み。
だったらそんな人たちに向けて魚の本を書かないか?』
そしてこの本が出来ました。


この本の見どころは、私たちが知っている(ようで知らない)日本を
著者の体験を読むことで追体験できるということ。
文化の違いに戸惑ったり、
誰しも躊躇してしまうようなおおきな魚に向かっていく姿に
「自分だったらできるかな?」とふと思ったり。
また築地市場の最後という特別な日の見学。
独特のシステムに尊敬のまなざしを向け、そしてお寿司をいただき…
そこでハプニングもあり。


たぶん、著者の住む町の市場でもそこでしかないものがあると思います。
ですが日本では築地市場は、ほとんどの人が実際訪れたことはないかと思います。
だからこそ、最後の日の出来事がかかれていてよかったと感じます。
知識として知っている市場やお寿司、魚に対する和の気持ちが
こんなにも色鮮やかにかかれている素晴らしさ!
私たちはこんなにも素晴らしい食文化の中に暮らしているのですね。


そして東京すしアカデミーの「ミスター27グラム」、村上さん。
村上さんの指導でだしを取り、魚をさばき、
寿司を握り、魚を煮て焼く。
著者いわく
「寿司を握るためのレッスンを見学するだけだと思っていた」
はっきり言って「へたくそ」
それでも懸命に魚に向かっていく姿がとても美しい。
前前作の

36歳、名門料理学校に飛び込む!―リストラされた彼女の決断


ル・コルドン・ブルー」に飛び込んだのを彷彿させるガッツさで。
魚がどうしてこんなに敬遠されるのか。


最後にそれを掘り下げて、私たちがもっと魚を愛せるように
様々な提案をしてくれています。
たぶん体験前だったら思いつかなかったのではないでしょうか。
読者の気持ちと向き合って、丁寧に提案されたそれらは
私たちの魚へのハードルをきっと下げてくれると思います。


【目次】
プロローグ 魚がこわい―アマゾン本社でのできごと
第1幕 米国人料理家、料理ができない日本人たちと出会う
第2幕 時差ボケで江戸前寿司を握る―魚料理の基礎を学ぶ
第3幕 築地市場ザ・ファイナル―明日に架ける橋
第4幕 寿司に死す!?―市場の一部になるということ
第5幕 ミニチュア富士からの眺め―恐れが学びに変わるとき
第6幕 魚グリルと秋刀魚の味―日本の家庭の台所へ
第7幕 キャッチ&リリース―釣り、築地、わたしの人生
第8幕 台所で魚料理を―経験し、咀嚼し、トライする
エピローグ 魚がこわい?―流れるままに愉しみ生きる

サカナ・レッスン 美味しい日本で寿司に死す

著者:キャスリーン・フリン 翻訳:村井理子
出版社:CCCメディアハウス
発売日:2019/5/31


【本日のサムネイル】
寿司職人のイラスト(女性)
お寿司を握る女性の寿司職人のイラストです。

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