世界屠畜紀行

ノンフィクション

【初回公開:2012/07/03 (Tue) 13:02】

世界屠畜紀行

内澤旬子

文庫: 478ページ
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/5/25)
ISBN-10: 4043943954
ISBN-13: 978-4043943951
発売日: 2011/5/25
商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm

「食べるために動物を殺すことをかわいそうと思ったり、
屠畜に従事する人を残酷と感じるのは、日本だけなの?
他の国は違うなら、彼らと私たちでは何がどう違うの?」
アメリカ、インド、エジプト、チェコ、モンゴル、バリ、韓国、東京、沖縄。
世界の屠畜現場を徹底取材!いつも「肉」を食べているのに、
なぜか考えない「肉になるまで」の営み。
そこはとても面白い世界だった。
イラストルポルタージュの傑作、遂に文庫化。

(Amazonより

久しぶりのTHE衝動買い。
最近めっきり衝動買い少なくなってます。
本との出会いが欲しい!!


小学校から自宅までの帰り道。
川沿いに向かって一本の砂利道をゆく。
自宅方向からそれたそこの先、いきどまりのそこにあばらやがありました。
手のひらには500円玉。
すりガラスの戸をあけると、むしられた鶏がぶらさがってました。
「モツください」
硬貨を渡すと「おまけにタマゴ入れといたよ」とおじさんがいい
帰宅して母に渡すと笑ってました。
大人が買いに行くとタマゴは絶対入れない。
だから私が買いに行かされました。
タマゴは殻がなくて、黄身だけで「鶏のおなかの中でタマゴになる前だったやつだよ」と
教えてくれたのはそれを調理してくれた祖母でした。
鶏のモツ煮込みは実家の味です。
ぶらさがっていた鶏。
それを見た友人は気持ち悪いと言ってましたが、私は平気でした。
私の実家は酪農家です。
多分それと関係があるんだろうなと漠然と思っていました。

この本の冒頭に
「屠殺の仕事は、差別された人がされていました」とありました。
東北北海道には差別がないと思います。
私が愚鈍だから気付いてないのかもしれませんが。
なので帰省した時父に聞きました。
「あの屠殺していた人は差別されていたの?」
両親の顔が一瞬固まって、話してくれたのは差別ではなくて
なんか子供っぽいいじめのような、
自分たちが理解出来ないことを生業にしていることに対しての畏怖による
そういった意味での「差別」でした。
そしてまたそれは、酪農家としてここに住んでいて
家畜の排せつ物の臭いに対して長年いやがらせを受けてきた我が家がそう思われてきたのと
なんらかわらないレベルなんだと感じました。

最初は屠畜の仕事と差別を重視して取材をされていたようですが
途中で病気を患ったようで、途中から屠畜という仕事に重視を置いてますが
かなり変わった、でも興味深い内容でした。
日本だけじゃなく、出来るだけ様々な国や角度から取材しようとしたのはすばらしく感じます。

この方、自分が飼っていた愛犬を美味しそうとか
家畜を殺すのが怖くないなど、普通とはちょっと違う感覚なのはいいんですがね
一般的な感覚が「おかしくなーい?」ってのがちょっとなあ。
いろんな人がいていいんだと思うんだけど。
根本的な解釈が違うので、いろいろトラブルもあったろうなあと感じました。

タイトル:世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR
著者:内澤旬子
出版社:角川書店

世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)

【2021/01/28 追記】

【本日のサムネイル】
精肉店・お肉屋さんのイラスト
ガラスのショーケースのなかにいろいろなお肉を置いている、お肉屋さんのイラストです。

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