【いのちをつなぐ】死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉

ノンフィクション

大型の写真集ようなの様相をした本です。
タイトルの「死を食べる」の通り
この本は死と食べることが書かれています。

どんな内容なの?

破壊が進む中、
動物カメラマンと一緒に動物の目を通して、
もう一度地球環境を見つめ直すシリーズ。
2巻は、動物の「死」を観察することで、人類の飽食や命の大切さを考える。

Amazon より

動物が死んで、それが朽ち果てるまでの写真が克明に載っています。
お子様に読ませるのは、保護者の方ご自身で読み考えてからにしてくださいね。

読んでみて

表紙にはコンクリのうえに置かれた大きめの銀色の魚。
そこにヤドカリのようなものが二匹います。
この魚が死んでから、そこにさまざまな動物が食べるために集まり
最終的にどうなるのか。

表紙は魚なのでそれほどショッキングとは見えませんが
本書には
キツネが亡くなって朽ち果てるまでの間
定期的な撮影をした写真や
昆虫のヤブキリ、
アマガエル、
ヒズミ、など
多様な死んだ動物の写真が掲載されています。
中にはウジのたかったものもあります。

そもそもこの本を手に取ったのは
とある媒体で
「キツネが死んで骨になるまでの経過が載ってる。
こういうのは珍しい」
と書いてあったからです。
興味本位です。
幼少期に里山に暮らし、かつ動物に囲まれた環境だったので
動物が死ぬということは日常でしたが
それが骨になるまでの過程は見たことがありませんでした。

実際読んでみて
「死とは命を分け与えること」
非常に陳腐かもしれませんがそう思いました。
キツネが死んで最初に動くのは
その個体に寄生していたダニでした。
体のぬくもりがなくなるとダニがはい出して去っていきます。
入れ替わりでやってきたのは、ハエ。
口や目など湿った場所に卵を産み付けていきます。
死んだキツネがハエの新たな命の食糧となります。
その後入れ替わり立ち替わり
様々な生きものがやってきて、かつてキツネだったものを食べていきます。
死んだのが冬の場合は、やってくる生き物はぐっと減りますが
食べ物がない時期ということもあって
それはごちそうとなります。
動物だけでなく昆虫までもやってくる。
食べて次に繋ぐ。
これはなかなか見ることが出来ないすごいものだと思います。

グロテスクに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
私たちが食べているものも
かつて生きていたものたちなのです。
今回は家畜のことまでは書いてありませんが
それでもひとつの生きものがなくなって、
たくさんのいきものの生きる糧になる。
それだけでも十二分に勉強になりますよ。


死を食べる―アニマルアイズ・動物の目で環境を見る〈2〉

著者:宮崎学
出版社:偕成社
発売日:‎ 2002/02/01


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男性が箸を持って美味しい(美味い)ご飯を食べているイラストです。

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