【初回公開:2013/07/08 (Mon) 09:24】
さいごの色街 飛田
井上 理津子 (著)
出版社: 筑摩書房 (2011/10/22)
単行本: 302ページ
言語 日本語
ISBN-10: 4480818316
ISBN-13: 978-4480818317
発売日: 2011/10/22
商品パッケージの寸法: 19 x 13.6 x 2 cm
遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。
社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか!
取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。
(Amazonより)
西日本にいったことがない。
歴史にも明るくない。
なのでそれがどこを指すのか
さっぱり。
ただ色街。
おおっぴらに話す内容じゃないってことだけは
なんとなくタイトルから感じていた。
むかし小樽にも遊郭があったんだと聞いた。
知り合った親ほどの年齢の方が
誇らしく話してくれた。
当時そこに生きていたわけではないけれど
自分のホームグラウンドがかつて繁栄していたこと。
それが誇りなんだろうなと感じた。
作者に飛田について語っていた某氏はきっと彼と同じ気持ちだったのだろうなと
今ならわかる。
売春は、してはいけない。
表向きではそうなっている。
でもこの地じゃなくてもこれを行ってる人は多いだろう。
昔ながらの遊郭的な方法を継承(厳密には違うが)してるのはここだけなんだろう。
性的なことを調べるのがすきで
こういったのをよく読む。
毎回思うのは、このテーマを扱うのは意外と女性が多いということ。
女性はこういう取材を行う際相手にされにくいということ。
なので今回も女性ライターで、彼女もものすごく苦労されての末だったろう。
そういったのは所々かかれている。
組合、ヤクザ、売る側の面接まで。
とことんやってかかれている。
前述の通り、私は東日本在住で
西日本のことは知らない。
西で当たり前のことをしらない。
なので作者の苦労はきっとわからないだろう。
ここに書いてはいけないことはものすごくあったと思う。
冷やかしでいってはいけない
写真をとってはいけない
だからこそ、この本が貴重だと思う
書いてくれてありがたいとおもう
女性として性を売るということに全く抵抗がないわけではない。
ただ、読む前の自分が思っていたよりも
どうしようもないことは多いし
だからといって誰も彼女たちを責める事はできないと思う。
余談ですが、Amazonレビューちょっとみたら
まあいろいろ書かれているわけですが
みなさんがおっしゃってるのも判ります。
こういう風俗的な事ってなくなってから「しまった!」というパターンが多いので
そういう意味でも「取材当時はこうだった」でいいので
文章に残せたのはいいことだと思います。
取材目的(この本が書かれた意味)がぼんやりすぎる気はしますが
作者もそんな「残せたらいっかなー」くらいの気持ちだったのでは。
著者:井上 理津子
出版社:新潮社
【2021/02/19 追記】
ノンフィクションというジャンルになってますが、正確には「ルポルタージュ」な気がしてきました。(著者的にはどうなんでしょう)
遊郭や色街など女性がその性を売って生計をたてていたのは、昔からあるわけで
(現在は法律的にNGとは思いますが)
そういった歴史がなかったことにしてクリーン化するのはどうかと思ってます。
この著書ではじめて飛田という土地やその生業を知って
過去にそういった場所があったという場所は知っていましたが
いまだ現存してることに当時は驚きました。
著者は12年通い続けてこれを書いたとありましたが、
その間書かれていなかったことも多いんだろうな
それが後半の、つじつまのあわなさと割り切れない文面なんだろうなと感じました。
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