「ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ」の二作目となります。
DV父から、母と弟、妹と逃げひっそりと暮らしていた少女。
少女の心の支えになっていたのは図書館から借りたホラー小説でした。
その図書館でみつけた交流ノート。
そこに書き込みをしたことで交流がはじまった。
という小説パート。
小さな雑誌編集者で働いていた主人公。
その周りでライターの孤独死があった。
だがそれは目がくりぬかれた異様な死に方だった…
その葬儀の夜、彼は誰もいない編集部でアルバイトの男性学生から封筒を渡される。
それは亡くなった彼の部屋から持ってきたもののコピーらしい。
「早めに読んでくださいね」
それはDV父から逃げている少女の物語だった。
そして主人公の周りでは次々と異様な死が…
という内容です。
この作者の書き方は
二つのパートが同時進行、または現在と過去というように
ふたつの物語がやがてひとつになって解決、
というものが多く感じます。
今回もその流れです。
都市伝説をテーマに書かれたホラー小説で
「ぼぎわんが、来る 」で登場した 比嘉姉妹の三番目、 比嘉 真琴と
オカルトフリーライターの野崎が登場します。
そして今回真琴の二番目の姉である美晴も登場します。
小説に登場していた美晴は作中で亡くなりますが、現実でも彼女は亡くなっていました。
小説のカタチをとってはいますが、これは実話だったのです。
呪いの小説に「リング」「貞子」と登場しますが
この物語は「リング」をモチーフに作られているようです。
読んで四日以内に死んでしまう。
じゃあどうすればいいのか。
リングさながら主人公、真琴、野崎のそれぞれの命の残りは四日間…
呪いの小説、それに登場する「ずうのめ人形」とは?
と構成もリングに似ています。
真琴が霊、怪異に向き合うシーンはぼぎわんと比べて少なく
野崎との絆のシーンが多く、
二人が結婚を決めたからこその守りに変わったのかなと感じました。
エンディングで命が助かった主人公がとある行為をおこなってしまう、
それもふくめてまさに「リング」なおはなしでした。
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
発売日:2018/7/24
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