タイトルどおり
蜂と蟻に刺されてみて、それをランキングにした
という学者さんの著書です。
どんな内容なの
【あらすじ】
刺されたら一番痛い昆虫は?
ハチに刺されない方法は?
オスが刺せないのはなぜ?
ヒアリは怖くない!?
イグ・ノーベル賞生物学者が自分の体で実験してわかったこと。
虫刺されの痛さを数値化した「シュミット指数」の生みの親が、
ハチ・アリ82種に刺されたときの痛さの解説と一覧付き。第1章 刺された記憶
HonyaClub より
第2章 刺針の意義
第3章 史上初めて毒針を装備した昆虫
第4章 痛みの正体
第5章 虫刺されを科学する
第6章 きれいな痛み、むき出しの敵意――コハナバチとヒアリ
第7章 黄色い恐怖――スズメバチ、アシナガバチ
第8章 昆虫最強の毒――シュウカクアリ
第9章 孤独な麻酔使いたち――オオベッコウバチと単独性狩りバチ
第10章 地球上で最も痛い毒針――サシハリアリ
第11章 ミツバチと人間
付録 毒針をもつ昆虫に刺されたときの痛さ一覧
「イグ・ノーベル賞生物学者が自分の体で実験してわかったこと」!?
著者が実際に蜂と蟻に刺されたことをもとに書かれた本です。
虫刺されの痛さを数値化した「シュミット指数」ってなに??
シュミット指数あるいはシュミット刺突疼痛指数は
異なるハチによって引き起こされる
ハチ刺症痛の度合いを示すペインスケール。
シュミット指数と呼ばれる虫刺症痛の指数化は
主にアリゾナのカールハイデンハチ研究所において、
昆虫学者のジャスティン・シュミット(英語版)により行われた。
シュミットはこの主題においていくつかの論文を発表しており、
またこの研究の為に多くのハチ目に刺されていることを強調している。
元となるシュミットの論文は1983年に発表されたもので、
これは昆虫の毒液による溶血性の比較と分類を試みたものであった。
この論文のインデックスは人類にとって全く効果のない0からはじまり、
2まで進むと一般的なミツバチやクロスズメバチでよく知られているハチの痛さに続き、
最も痛い4で終わる。2015年9月、シュミットはイグノーベル・生理学および昆虫学賞を
Wikipediaより
マイケル・スミスと共に受賞した。
そもそも、「刺された痛みを数値化してみよう!」
というアイデアが出てきたとしても
それを実際、実体験を伴ってやってみよう!!となるのが
もうすごいです。
あと単純に蜂と蟻って種類が多いのですね。
身近にいる昆虫なのに今回初めて知りました。
読んでみて
2022年から23年にかけて、国立科学博物館の特別展「毒展」が開催されていました。
その公式ホームページや会場レポートを読んでいたら
「シュミット指数」
が何度も書かれていました。
シュミット指数ってなんだろう?
そんな気持ちで本書を手に取り、
(蜂と蟻って、毒関係なくない??)
そう思いながらページをめくりました。
(私が無知なだけでした)
最初から最後まで
ツッコミと
そこまでしなくても、と
よくいう「アナフィラキシーショック」
蜂に何度か刺されたらショックで亡くなってしまうというアレは
起きないものなのか?
と思っていました。
(蜂に刺された場合に、蜂毒にアレルギーがなければ、
刺された箇所に軽い痛みやかゆみ、腫れなどが起こり(局所症状)、
数日程度で消えていきます。
しかし、蜂毒にアレルギーがあると、刺された人の約10~20%が、
全身のじんましんなどの皮膚症状や嘔吐、浮腫、呼吸困難などが起こる
アナフィラキシーを引き起こすといわれています。)
※アナフィラキシーってなあに.jpより
蜂にせよ、蟻にせよ
各々たくさん種類が存在し住んでいる場所も異なります。
長期休暇の時期には、目的の蜂や蟻を探しに
複数の仲間たちと車で目的地まで向かい、
それらを採取し、時には襲われそうになったり
実際刺されたりもしています。
ただやみくもに採取に行くのではなく
きちんとその生態を知ったうえで向かうのがまた研究者らしいです。
著者であるジャスティン・O・シュミットは
この研究でイグノーベル賞を受賞しています。
2015年 生理学および昆虫学賞
「人が様々な虫に刺された際にどれだけの相対的な痛みを感じるかを評価する「シュミット指数」を
苦痛を惜しまず作り上げたことに対して。」
そう、本文中においても
著者は「ミツバチに刺されるくらいはなんでもないこと」と書いているのです。
毒に対するアレルギーがなかったこと
人よりもほんの少し好奇心があったこと
このふたつのおかげでシュミット指数は私たちに危険を知らせてくれる指数の一つとなりました。
できればお世話にならずに済みたいことではありますが
知っていて損はないと思います。
巻末の
「毒針をもつ昆虫に刺されたときの一覧」
こちらもお忘れなく熟読をお薦めします!
「拷問以外の何物でもない。
火山の溶岩流の真っ只中に鎖で繋がれているみたい。
それにしてもなぜ私はこんな一覧を作り始めてしまったのだろう?」
著者:ジャスティン・O・シュミット
翻訳:今西康子
出版社:白揚社
発売日: 2018/6/7
感想最後の文章は
著者がウォーリアーワプスという蜂に刺されたときのコメントで
著作中最も痛いとされたレベルです。
「ムチャしやがって…」と思わずつぶやいてしまうほど
ですが作中では本当に楽しそうなのが印象的でした。
【本日のサムネイル】
ハチのキャラクター(虫)
擬人化された可愛い蜂(ミツバチ)のキャラクターです。
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