【初回公開:2017/09/07 (Thu) 11:43】
こちらは旧ブログのアーカイブとなります。
配偶者を亡くしたらどうなるか。
家のローンが無くなるとか、保険金が下りるとか、お葬式どうしようとか。
俗物的なことのあとに
残るのはただひたすらに虚無感なんじゃないだろうかと思う。
配偶者(妻)が亡くなって立ち直るまでの話と書くと身も蓋もないですが
その亡くなり方が大事故である日突然で
夫婦間も冷え切っていたというもので。
よく聞くのが「親を亡くしたことから立ち直れない」
配偶者だったら、とは聞いたことがない。
(たぶん自分が聞いたことないだけだとは思う)
もっとも親を亡くすよりはもっと大変だろうなとは思う。
ただこの主人公は作家でテレビにも出演するものだったので
ちょっと普通の一般人からは外れている。
一緒に事故で亡くしてしまった友人の家族の面倒をみることになってしまう。
子供だけでなく、友人の夫の面倒をみていくうちに
あわただしいなかでもゆっくりゆっくり自己治癒をしていく。
それが突然壊れ、そして形をかえてゆく。
興味深いのは、友人家族の家の掃除はするのだが
自宅に戻ってから全くなにもできないことだ。
たまりにたまった洗濯ものと、日々の雑事とこまごましたものと
人の不在の空気と、思い出のようなものがそこにあり
それは長いことそのままになっている。
友人家族の面倒をみるのは結局のところ他人だからできることで
その子供が甘えるのは他人だからであり
また作家がそこにいて癒されてゆくのもまた他人の家だからこそなのだと。
そこから一歩踏み出してこそのこのエンディングなのだと思う。
著者は映画監督で、この作品が二作目のノベライズとなります。
同名の映画も公開しております。
【本日のサムネイル】
いろいろなバスのキャラクターのイラスト
赤、オレンジ、黄色、黄緑、緑、水色、青、紫、ピンク、黒、グレー、白など、
いろいろな色のかわいいバス(路線バス)のキャラクターのイラストです。
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