名もなき受刑者たちへ 「黒羽刑務所 第16工場」体験記

ノンフィクション

【初回公開:2012/11/29 (Thu) 15:40】

名もなき受刑者たちへ
「羽黒刑務所 第16工場」体験記
本間 龍
宝島SUGOI文庫

文庫: 239ページ
出版社: 宝島社 (2010/11/5)
言語 日本語
ISBN-10: 479667859X
ISBN-13: 978-4796678599
発売日: 2010/11/5
商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1 cm

内容(「BOOK」データベースより)
詐欺罪で逮捕された著者が入れられたのは、栃木県の「黒羽刑務所第16工場」。
どんな恐ろしいところかと思いきや、
なんとそこでは高齢者、障害者、オカマが助け合いながら服役していた。
そんな私に言い渡された役目は「用務者」。
彼らを補助することが私の“お勤め”だったのだ。
愛すべき仲間との日々。
そして、彼らを待ち受ける未来とは…!?
“社会の縮図”とも言われる刑務所の実態を元受刑者が描く。

刑務所に高齢者やオカマ、障害者が集められた工場がある。
そんなの知りませんでした。
ついったで某受刑者が
これを買いたいといったところ
NGが出たとかいてました。
やっぱり内容が内容だからかな?
 
そのついーとをふと寄った書店で思い出し衝動買いしました。
刑務所本はこれで二冊めです。
一冊めはスタンダードな刑務所本で、
これは全く知らない刑務所内の工場でした。

もう苦笑の連続でした。
こんなに明るいならちょっと楽しいかもな!
そう何度も思いましたが
ここに入ってる方はあくまで受刑者。
それをつい忘れてしまいそうでした。

超高齢化社会で
高齢者の犯罪も多く、そのまま堀の中で亡くなる人
認知症になる人も多いと聞きます。
そんな高齢者をいわゆる「オカマ」と呼ばれるお姉様たちがお世話をしている。
これは刑務所側で仕方なく集めた人々でも
うまくシステムとして動いてるなと思いました。
刑務所の中の人々の生活は税金は使われていますが
全て自分達で行っていること。
洗濯も食事も、工場の仕事の細かい雑務まで
全て受刑者がしている。
基本的なことかもしれませんがあまり書かれていないような気がします。

覚醒剤の再逮捕者がなぜ多いか
再販が多い理由。
そして高齢者の受刑者はどうなるか。
あまりに国がお粗末な考えすぎではないでしょうか。
堀の中にいる人々は年々増加しています。
いれたら終わり、
刑期を終えたら終わりではあまりにお粗末ではないでしょうか?
そういった警鐘を感じるためにもお勧めです。

【2021/02/04 追記】
有料メルマガで受刑者の生活を知り、
他にもおなじような本がないかなあと探していたら
さまざまな方々が「この本はおもしろい!」と書かれていたので手にしました。
障害者や、今でいうLGBTの方々、
普通に働くことが困難な方を集めている場所があるとは
思ってなかったです。
所内のしくみや生活など、なかなか知ることのできない場所だけにこういう本は貴重です。
受刑者の高齢化や外国人受刑者問題もあり、おもしろいだけでは済ませられない一冊です。

【本日のサムネイル】
受刑者のイラスト(女性)
刑務所に収容された女性の受刑者(服役囚・囚人)が囚人服(舎房着)を着て
立っているイラストです。

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