子どものころからの夢を叶えて、
大好きなアザラシにかかわる仕事をされている女性のおはなしです。
どんな内容なの?
幼いころに出会ったひとつのぬいぐるみがきっかけで
HonyaClub より
あっという間にアザラシ沼へ。
日本で唯一のアザラシ保護施設で働く飼育員が綴る
保護活動とアザラシが抱えている問題とは。
愛くるしい表情と仕草で私たちを癒してくれるアザラシたちをもっと知ろう!
オホーツクとっかりセンターってどんなところなの?
第1章 私とアザラシとの出会い
幼少期アザラシがすきになったこと
どうすればアザラシに関わる仕事ができるのかを考え
獣医学部に行こうと猛勉強
紆余曲折の末、日本で唯一のアザラシ保護施設である
「オホーツクとっかりセンター」の職員になるまでが書かれています。
コラムでは「アザラシとは?」というタイトルで
「アザラシ科」
「アシカ科」
「セイウチ科」
それぞれの特徴がまとめられています。
冒頭のカラー写真のアラザシの写真、とてもかわいらしいので必見です!
第2章 いざ、北海道紋別市へ。アザラシ救助の日々
オホーツクとっかりセンターの活動について、
アザラシの救助方法について、
保護個体を守るためにしていること、
とっかりセンターでの一日について、
がかかれています。
コラムでは「お魚図鑑」と称して
アザラシの餌となるお魚についての説明がかいてあります。
もうひとつのコラムでは
とっかりセンター内でのアラザシの出産についても書かれています。
ほかにも、健康管理をスムーズに行うための訓練、
アザラシを定位置に呼ぶための「吻タッチ」
(アザラシに向かって手をグーにし差し出すと、そこに吻をつける)
口腔のチェックのための「口開け」
(あーん、のボイスサインとともに人差し指を出すと口をあける)
なども記載されています。
第3章 野生復帰に向けた訓練とリリース
浜辺にて親とはぐれ弱っていた子どものアザラシ
そのような保護したアザラシを野生復帰させるか、飼育をするか、
野生復帰するならどのように行うか、
野生にリリースさせたらなにがおきるのか、
保護するのはいいことなのか
などが書かれています。
第4章 アザラシ5種ととっかりセンターのアザラシたち
北海道に住む5種類のアザラシ
ゴマフアザラシ
ワモンアザラシ
クラカケアザラシ
アゴヒゲアザラシ
ゼニタカアザラシ
これらの特徴など、
とっかりセンターで保護、飼育していた印象的なアザラシについて書かれています。
コラムではとっかりセンターに訪問する鳥たち
カラス、オオセグロカモメについて書かれています。
読んでみて
アラザシ愛がすごい本です。
アザラシは「ゴマちゃん」を筆頭にぬいぐるみやグッズなどが多いので
だれでも知っている動物ともいえます。
白くてふわふわでかわいらしいです。
そんなアザラシに関わる仕事がしたいとなった時、水族館を思い浮かべると思いますが
著者はそうではなく、北海道のオホーツクにある保護施設を選びます。
何度も通ってインターンシップもし、
職員の空きがないということで動物病院に勤務します。
就職してすぐ空きがあると連絡が来ますが、一度お断りしたのち
二度目の空きの連絡でとっかりセンターに就職します。
動物病院さんへの気持ちを無下にしないために一度けじめをつけたのです。
センターの職員になるまでは冒頭の一章のみで、
それ以降は「アザラシはいいぞ!!!」の熱意がこもった文章となっています。
ただ「かわいい」だけでなく、
親からはぐれた子どものアラザシの保護活動はよいことなのか、
保護しリリースした個体たちが大人になれないまま亡くなっていた(かもしれない)こと
書きにくいことまできちんと真摯に向き合ってる姿が印象的でした。
また歴代の飼育員さんたちが一頭ごとに手書きで飼育ノートを書いていたのが
この仕事に対しての真剣さを伝えるエピソードだなと思いました。
これは現在も行ってるようで、
こういう時にこういう方法で乗り切った、など
記録があることで、次の飼育員さんたちの解決方法にもなっていて
素晴らしいと思います。
私たちからみたらどれも同じにみえてしまうアザラシにも個々の性格があって
人に慣れにくかったり、繊細だったり、甘えたり
わたしたち人間と同じなんだなと感じました。
動物園や水族館にいるアザラシ、
かわいい、芸達者だけでなく、もう一歩踏みこんで
知らない一面を見てみませんか。
しらない魅力が詰まっていますよ。
著者:岡崎雅子
出版社:実業之日本社
発売日:2022/6/2
【本日のサムネイル】
ゴマフアザラシのイラスト
黒いまだら模様の体をしたアザラシの仲間、ゴマフアザラシのイラストです。
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