理系の子―高校生科学オリンピックの青春

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ノンフィクション

【初回公開:2013/04/12 (Fri) 08:44】

理系の子―高校生科学オリンピックの青春
ジュディ ダットン (著), 横山 啓明 (翻訳)
単行本: 357ページ
出版社: 文藝春秋 (2012/03)
ISBN-10: 4163750800
ISBN-13: 978-4163750804
発売日: 2012/03
商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.8 cm

内容(「BOOK」データベースより)
インテル国際学生科学フェア―それは高校生による科学のオリンピック。
世界中の予選を勝ち抜いた理科の自由研究が集い、名誉をかけて競う。
出場した少年少女たちは、どんなふうに育ち、なぜ科学に魅せられ、どんな研究をやってのけたのだろう?
十歳で独力で爆薬を製造、やがて「核融合炉」の製作に挑んだ少年。
自閉症を持ついとこのため画期的な教育プログラムを生み出した少女。
少年院で非行少年たちの眠れる知の才能を発掘した熱血理科教師。
ハンセン病に感染してもへこたれず、らい菌の徹底研究を開始した少女。
そして小さな虫を手がかりに太古の地球環境を解明した日本人の少女。
ほか研究に青春をかけた理系少年少女たちの感動の実話。
科学はこんなにもおもしろい。
(Amazonより)

私は今まで子供に未来なんて感じた事はなかったのです。
そりゃあ、自分よりも子供の方が若い。
よくいう「これから産まれる子供たちのために」なーんて
なんという偽善・・・くらいしか思ってませんでした。

しかし、これは未来です。
子供は未来で、希望だと思った本です。
簡単に内容をかくと
インテルがやってる高校生向けの科学大会の参加者のはなしです。
13人の事例があります。
ふうん、というのもありましたし
ついてけねえなあと苦笑するのもありました。
一番ぐっときたのは
7章「もはやこれまで」
目次によると
「研究発表の当日朝、セイラはストレスでキレてしまった。
辛い過去を持つ彼女を救えるのは友人シュワンのみ。」
13人のあらすじをみるとまったくさえないのに
なんでか本編でものすごくぐっと
胸が詰まってしまい。
次点は9章の「イライザと蜂」
どの事例でも両親の無言(時々アドバイスはあるものの)の応援。
「ダメ!」といいたくなる連続なのに
それを見守るという応援。
誰かに何かを教えたりする場合、どうしてもなにか言ってしまうケースが殆どで。
特にそれが自分の子供だったら絶対口を挟みたくなるのに
それをしないということ。
放置放任ではなく、見守る。
これは容易に見えてかなり難しいことだとおもう。
子供の自主性を信じて、時々アドバイスをする。
それでうまくいったり、時にはだめになったり
(全例がハッピーエンドではないのです。
逆にそれがよかったのです)
子供だけでなく、この大会に関わった家族や指導した人々も
ちょとだけ(人によっては大きく)成長したノンフィクション。
最後に日本人の事例がありますが
彼女の親御さん、また彼女本人もすばらしいと思います。
もっと日本でもこういう大会がメジャーになれば
もっとすごい未来があるはずなのにと思わずにいられない一冊でした。
なまらお薦め。
ノンフィクションにがてー
理系にがてーって方にこそお薦めです。

理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1)


著者:ジュディ ダットン (著), 横山 啓明 (翻訳)
出版社:文藝春秋

【2021/02/09 追記】
諸外国では個人的にいろいろ調べたりする子供が当たり前のように書かれているのに対して
日本だとなんだか奇妙に映ってしまうのは自分の色眼鏡なのでしょうか。
おうちで個人的にいろいろ調べてる子供おるんかー?って思ってしまいました。
(でも自分も図鑑で調べたりしてたからそれの延長なのかも?)

13のどの事例もみな大人が基本的に「見守る」姿が書いてあります。
大人が「こうしてみたら」というのは簡単ですが
それをいわずに黙って見守る。
子供が困った時にだけちょっとアドバイスする。
これが子供には安心につながるのかなと思いました。
なかなか難しいんですけどもね。
子供がかわいい!やってあげる!よりも見守る。
一歩上の教育かもしれません。
お子さんがいらっしゃる親御さんにおすすめの本です!



【本日のサムネイル】
科学・理科の実験のイラスト(男の子)
理科(科学)の授業で実験をしている小さな男の子のイラストです。




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