生理用品の社会史: タブーから一大ビジネスへ

ノンフィクション

新型コロナウィルスが蔓延している2020年から
女性の貧困問題のひとつとして「生理用品が購入できない」が話題になっています。
アルバイトで生活費を賄っていた学生が、コロナウィルスの蔓延により
アルバイトが縮小、そのため賃金が減りそのしわ寄せが生理用品に、となっているとのこと。


そもそも現在の生理用品はどのように今の状態になったのか、
その歴史がこの本に記載されています。

第一章 ナプキン以前の経血処理
第二章 月経タブーの歴史
第三章 使い捨てナプキンの登場
第四章 今日の生理用品


ナプキンが国内で販売されるまで、
日本では昔から膣にぼろ布や植物、脱脂綿をいれて処置していました。
それらを取り出すのを忘れたり、衛生的ではないことで発熱や化膿ということが
しばしば起きていたそうです。


それどころか、平安時代より月経中の女性は「穢れ」といわれ
離れた場所に掘っ立て小屋をつくり、(月経小屋)
月経中はそこでの食事の煮炊きや睡眠など生活を強いられたり
「穢れ」ということでいつもと同じ作業が出来ないということで
平常時以上のきつい仕事をさせられたり。
経血で汚れたものは、ひとめにつかないように納屋などの薄暗い風通しの悪い場所に干したり。
女性であること、月経中であることを子どもに馬鹿にされたり。
今では考えられないようなことが当たり前に、つい60年前まで国内でありました。


明示時代以降にはゴム製の現在のような下着も発売されましたが
あくまで一部のお金持ちのみのものであって
それも使いにくい、蒸れてしまうなどかなり不便だったようです。
個人レベルの工夫でやり過ごしていた大きな理由は
当時の生涯月経回数が50回と少なかったからだといわれています。
「シモのもの」、「穢れ」という観点から生理用品の進化はとても遅かったようです。


一人の男性の発案から使い捨てナプキンが考案され、
その販売ととも月経の処置が変わっていきます。
1961年のアンネナプキンの発売です。
アンネナプキンの販売をみて、
自分たちもこのムーブメントに乗ろう!と動いた男性がいます。
それが現在のユニ・チャームの創業者です。


昔は膣に何かいれる、今でいうタンポン形式だったものが
なぜ現在はナプキンが主流になったのか。
(現在国内販売のタンポンはユニ・チャーム社のみです)


また使い捨てナプキンではなく、布ナプキンや月経カップという選択肢など
現在も月経処理を簡単に、かつ身体や環境にやさしいものへとさまざまなものが発売されています。
現在の日本のように同じブランド内のナプキンで多種類作られているのは世界的にも稀なことです。
(ロリエだと24種類のナプキンが展開・販売されています)

女性であったら当たり前に毎月使用している使い捨てナプキンは
ひとつの会社の男性が本気を出して考え抜いたものです。
穢れではなく、身体のしくみなのです。
正しい知識と歴史を知って、自分の身体をさらに大切にしませんか。

またこの本は
同じテーマである他の本から多数抜粋されており
各章の巻末にそれら出典先が記載されているので
生理用品の歴史や社会史、進化、一般風俗を調べたい場合
とても役立つのでありがたいです。


古いブログを読み返していましたら
同じ本のレビューがありましたので
こちらも追記しておきます。

【初回公開:2013/10/30 (Wed) 13:37】

昔雑誌で見たことがあるのです。家族で食事中、生理用品のコマーシャルが流れてきまずかったのでゴールデンタイムのコマーシャルを辞めて欲しいそういったことが読者欄にありました。なんで?それくらしか思ってませんでした。

女性軽視だった時代があるのはわかってます。月経中の女性がケガレだった時代があったのも知ってました。でもその女性を隔離していた歴史は知りませんでした。子供の頃母親のタンスのなかを朝って遊んでいたときにティッシュかなとおもってナプキンを開けたことがあります。だたびろーんとしたそれ。とても不思議におもって祖母に聞きました。いまはこういうのあるからいいよばあちゃんのときは綿とか布だったんだよそれでも全くわかりませんでした。生理という概念がなかったころでした。

生理のときに膣に紙切れだったり綿をつっこむ。それを適切にはずせなくて化膿したりそれを産母さんにはずしてもらったり不浄のものとして小屋に隔離したり。そんな待遇が変わったのは富国強兵の産めや増やせやだったというのはなんだか皮肉にも感じます。生理があるから子供が産めるいまではあたりまえないまですが

医療が発達してなかった時代にとっての生理は恐怖でしかなかった故の行動とはわかりますが女性はかなしい生き物だったのかもしれないと思ってしまいます。

アンネナプキンの開発で日本の生理用品事情は一気にすすんだことをとても感謝します。膣のなかに布だの紙切れいれなければならないと考えただけでぞっとします。その普及と同時に衛生的な理念も普及させようと邁進。それがあってのいま。いまでは様々なタイプのものがあって使い分けれれるようになりました。少子化で確かに売り上げも落ちてはいるとは思いますがこれからもよりよい商品の開発をお願いしたいものです。


タイトル:生理用品の社会史: タブーから一大ビジネスへ
著者:田中ひかる
出版社:ミネルヴァ書房
発売日:2013/8/25

生理用品の社会史: タブーから一大ビジネスへ

【本日のサムネイル】
サニタリーボックスのイラスト
生理用品などを入れるためにトイレの個室に置かれている、サニタリーボックスのイラストです。

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