【そのイメージは過去のもの】売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ

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ノンフィクション

売春島と
かつて呼ばれていた渡鹿野島についてのルポタージュです。
大阪飛田についての本はいくつかありますが
他にこのようなものはないかな
と興味本位で見つけたのが本書です。

渡鹿野島 (わたかのじま)について

グーグルマップより

渡鹿野島 は三重県志摩市にある島です。
島の歴史や性産業についてはWikipediaにも
詳しくかかれています。
(地図の赤いマークが渡鹿野島になります)

ざっくりこんな内容です

最初は他の色街本と同じように
そこで働くおねえさんたちが
どうしてここにきたのか
どのように働くかを中心に描かれています。
中ごろから
この島がどのように色街になっていったのか
歴史や栄えていた時代と今、
郷土の歴史を紐解くものとなっています。

ヤクザが置屋を経営していない、
他の風俗業と違って働く目的がちょっと違ったり
島だからこその独自ルールなどの違いがありました。

著者の取材スタイル

島に4度渡り
宿屋の人や、それに関わる周囲の人らにも話を聞き
有力者をしぼり、栄えていた当時を知る人たちに話を聞いていく。


インターネットでこの島を検索すると
じつにさまざまな記事がヒットします。
ですがこれらは取材していないものが多いそうです。


著者は取材時に
自分がジャーナリストで
調べている目的もはっきり相手に伝えているそうです。
だいたいの人は
「あまり売春について書かないでほしい」と
言うそうですが
それに対して
「良いことも悪いことも
この島の歴史と現状をありのままに書くだけ」
そう返します。
「きちんと説明したうえで話を聞きたい」
その熱意でいろいろな人たちが話をしてくれたのが本書です。

置屋のママさんがすごいです

小さな島の歴史本と読む以外に
個人的に感心したのは置屋のママさんについて。
置屋ではたらくおねえさんたちを
本当の子どものように面倒を見ていたママが多かったそうです。


不平不満をチーママが聞き、ママに報告。
みんなで船に乗って買い物に行き、気晴らしをさせたり
おねえさんたちが「頑張ろう!」となるように
自然に誘導する。
気配りのプロで
時折出てくるおねえさんへのケアはなるほどでした。

今の島はどんな感じ?

渡鹿野島HP より

現在はクリーンな島のイメージで頑張っているそうですが
2019年時点では
置屋は店舗型、派遣型各一件ずつ現存しているそうです。

よんでみて

こういう本は
性的なことが含まれているので
あまりいい顔をされないことが多いですが
個人的にはその土地の歴史のひとつとして読んでいます。
かつて女性が騙されて連れてこられ
働かされていたことがあるのは事実のようですが
そういうことも踏まえてなかったことにするのは
ちょっと違う気がします。
今はクリーンな観光地として動いているそうなので
頑張ってほしいですね。

【あらすじ】
“売春島”。
三重県志摩市東部の入り組んだ的矢湾に浮かぶ、
人口わずか200人ほどの離島、
周囲約7キロの小さな渡鹿野島を、
人はそう呼ぶ。
島内のあちこちに置屋が立ち並び、
島民全ての生活が売春で成り立っているとされる、
現代ニッポンの桃源郷だ。

この島にはまことしやかに囁かれるさまざまな噂がある。
「警察や取材者を遠ざけるため客は、みな監視されている」
「写真を取ることも許されない」
「島から泳いで逃げようとした売春婦がいる」
「内偵調査に訪れた警察官が、懐柔されて置屋のマスターになった」
「売春の実態を調べていた女性ライターが失踪した」……

しかし、時代の流れに取り残されたこの島は現在疲弊し、
凋落の一途を辿っている。

本書ではルポライターの著者が、
島の歴史から売春産業の成り立ち、隆盛、
そして衰退までを執念の取材によって解き明かしていく。
伝説の売春島はどのようにして生まれ、どのような歴史を歩んできたのか?
人身売買ブローカー、
置屋経営者、売春婦、行政関係者などの当事者から
伝説の真実が明かされる!

HonyaClub より

売春島「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ

著者:高木瑞穂
出版社:彩図社 
発売日:2019/12/17


【本日のサムネイル】
チップのイラスト(ホテル)
海外のホテルに泊まったときに、
チップをベッドの上に置いている様子を描いたイラストです。

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