どんな内容なの？
生活保護を受給する大家族で育った天使は、
Amazonより
キャバ嬢時代に知り合った投資家の綾小路光子と再会する。
訳あり老人たちが長逗留するビジネスホテルにひっそりと暮らす光子の指南で、
極貧人生から抜け出そうと、
生きるノウハウを学ぶことになるが……。
秘密を抱えた二人の「投資版マイフェアレディ」！
読んでみて
この物語は主人公がとある高齢女性を待ち伏せし、追いかけて
近づくためにホテルの掃除人として働くという内容です。
そのホテルの一階にはお金持ちと思われる高齢者、つまり老人たちが長期滞在をしています。
主人公が近づきたい高齢女性も同様、このホテルに長期滞在しています。
どうにかして件の女性の部屋の掃除担当になりたい…
そう考えていた主人公は別の高齢女性に声をかけられます。
主人公である天使の家は生活保護を不正受給し、
子だくさんというのを逆手に「日村さん一家」としてテレビ出演をしていたのです。
また子どもの世話もせずに暴力をふるってもいました。
なぜ「日村さん一家」のテレビ放送が終わってしまったのかの真相を知りたい、
それを発表したいといわれ、天使は迷います。
自分の過去を振り返るようなその作業と並行するように
彼女は近づこうとしていた高齢女性、光子におかねもちになる方法を教えてもらうことになります。
それはおかねもちになる以前の問題で
天使は世の中のしくみなどなにもわかっていない状態でした。
光子はそんな天使に優しくも厳しくもさまざまなことを教えていきます。
とりあえずの貧困から脱出したという状況で光子はなくなります。
天使にこれからのこと、アパートを買ってどのように運用すればいいか
その際に不足するであろう100万円を渡して。
その光子の死をみた天使はあろうことか
光子の遺産であるお金を盗んでしまうのです。
ざっくりこんな話です。
ネグレクトを受けて、どう働けばいいかもわからない女性を
高齢のおばあさんが叱咤しつつも教えていく。
そこまでたどり着く前半が長すぎて説明も一切ないので
「これなんの話だったっけ？」となります。
後半が一気に急展開なのですが
光子が天使にお金についてのレクチャーは
物語の山場にようなところだったので
流石の筆さばきだなと思いました。
ですが、
最後の光子のお金を盗むところで、
なんだか一気に現実に引き戻されたきがしました。
作中で天使の母親は天使の通帳を盗んだのです。
天使は泣きながら母親にその通帳を返すように言ったのです。
それなのに、の行動に
母親みたいになりたくなかったんじゃなかったのか
なぜそんなことをしたのか。
光子の過去を聞いて、自分の母親の愚行をみてなぜそれをしたのか。
教育とは、躾とは、と思わざるを得ない読後でした。
天使を最後まで応援したかったのが本音です。
【本日のサムネイル】
ホテルのイラスト（小）
シンプルな3階建ての小さいホテルのイラストです。
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